ポルターガイスト (Poltergeist)
概要
ポルターガイストは、物理的な実体を持ち、悪戯や騒乱を引き起こすことで知られる魔法界の存在である。しばしばゴースト (幽霊) と混同されるが、彼らは一度も人間として生きたことがなく、死んだ人間の魂の痕跡であるゴーストとは根本的に異なる。彼らは「混沌の不滅の精神」とされ、ホグワーツ城に棲みついているピーブズが、原作シリーズに登場する唯一のポルターガイストである。
性質と特徴
ポルターガイストは、ゴーストとは一線を画す特有の性質を持つ。
- 物理的干渉能力:ゴーストが物体を通り抜けるのに対し、ポルターガイストは杖やインク壺、水風船といった物理的な物体を持ち上げて投げつけることができる。彼らは触れるものに影響を与えることが可能で、これが最大の脅威であり、特徴でもある。
- 不可視化:自らの意思で姿を消すことができる。
- 飛行能力:空中を自由に浮遊し、移動する。
- 混沌とした性格:彼らの行動原理は、純粋な悪意よりも混沌と悪戯を好む性質に基づいている。人々を困らせ、混乱を引き起こすことに喜びを感じる。
- 非実在の起源:ほとんど首無しニックが言及しているように、ポルターガイストは生きた人間であったことがない。そのため、真の意味でのゴーストとは見なされず、彼らのコミュニティに参加することもできない。
著名なポルターガイスト
- ピーブズ:原作シリーズで名前が言及される唯一のポルターガイスト。彼は少なくとも西暦993年からホグワーツ城に存在しており (Pottermore) 、城の管理人であるアーガス・フィルチにとっては永遠の悩みの種である。彼は血みどろ男爵を唯一恐れており、アルバス・ダンブルドアにもある程度の敬意を払っている。第二次ウィザーディング戦争におけるホグワーツの戦いでは、侵入してくる死喰い人たちにスナージューの実を落とすなどして、ホグワーツ防衛側として戦った。
名前の由来
「ポルターガイスト」という言葉はドイツ語に由来する。
- Poltern:ドイツ語で「音を立てる」「ガタガタ鳴る」を意味する。
- Geist:ドイツ語で「精神」や「幽霊」を意味する。
これらを合わせると「騒々しい幽霊」となり、物を投げたり騒音を立てたりする彼らの性質を的確に表している。
幕後情報
- J.K. ローリングのウェブサイト「Pottermore」 (現在の Wizarding World) によると、ポルターガイストは特定の場所に自然発生する存在であり、特に若者が多く集まり、思春期のエネルギーが渦巻くような場所で生まれやすいとされている (Pottermore)。
- ピーブズは、その人気にもかかわらず、ハリー・ポッターの映画シリーズには一切登場しない。これは原作と映画の最も顕著な違いの一つである (映画設定)。