ラブグッド家 (Lovegood Family)
概要
ラブグッド家は、その風変わりな性格と、魔法界の主流から外れた事柄への強い信念で知られる、由緒ある魔法族の家系です。第二次魔法戦争においては、不死鳥の騎士団とハリー・ポッターの揺るぎない支持者として重要な役割を果たしました。一家は、他の魔法使いが空想と見なすような魔法生物や陰謀論を探求する雑誌『ザ・クィブラー (The Quibbler)』を出版しています。一家の最も著名なメンバーは、ゼノフィリウス・ラブグッドと、その娘であるルーナ・ラブグッドです。
主要メンバー
- ゼノフィリウス・ラブグッド (Xenophilius Lovegood)
- ザ・クィブラー (The Quibbler) の編集長であり、ラブグッド家の家長。死の秘宝 (Deathly Hallows)の存在を固く信じており、そのシンボルを首飾りとして身につけています。娘のルーナ・ラブグッドが死喰い人 (Death Eater)に誘拐された後、彼女の安全と引き換えにハリー・ポッターを裏切るよう脅迫されましたが、根は善良な人物です。
- パンデラ・ラブグッド (Pandora Lovegood)
- ゼノフィリウスの妻であり、ルーナの母親。非常に優れた魔女でしたが、実験的な呪文を好む性格が災いし、ルーナが9歳の時に呪文の失敗事故で亡くなりました。
- ルーナ・ラブグッド (Luna Lovegood)
- ホグワーツ魔法魔術学校のレイブンクロー寮に所属する魔女で、ハリーの親しい友人の一人。ダンブルドア軍団の主要メンバーとして、神秘部の戦いやホグワーツの戦いを含む数々の重要な戦闘に参加しました。その夢見がちで独特な言動から「ルーニー(Loony)」とあだ名されることもありましたが、非常に聡明で、鋭い洞察力と揺るぎない忠誠心を持っています。
外見と性格
ラブグッド家のメンバーは、淡い金髪と、少し突き出た銀色の目といった共通の外見的特徴を持っています。特にルーナは「いつも驚いているような表情」と描写されています。 一家の性格は、一言で言えば「風変わり」です。彼らは世間の常識や偏見に囚われず、自らの信念と好奇心に従って生きています。しわくちゃ角のスノーカック (Crumple-Horned Snorkack) のような、存在が確認されていない魔法生物の探求に情熱を注いでいます。その非凡な性質から魔法社会では孤立しがちですが、彼らは非常に心優しく、友人に対しては深い愛情と忠誠心を示します。
魔法能力と技術
- 魔法全般: ラブグッド家は有能な魔法使いの家系です。特にルーナ・ラブグッドは、若くして高度な守護霊の呪文を習得しており、彼女の守護霊 (Patronus)は野ウサギの姿をとります。彼女はダンブルドア軍団で学んだ防衛術に長けており、数々の決闘で生き残りました。
- 実験的な魔法: 故パンデラ・ラブグッドは、新しい呪文の創造や実験を好んでいました。これは彼女の死因となりましたが、同時に彼女の高い魔法的探究心と知識を示唆しています。
重要物品
- ザ・クィブラー (The Quibbler): ラブグッド家が発行する月刊誌。魔法省 (Ministry of Magic)がヴォルデモート卿の支配下に置かれた際には、ハリー・ポッターを公然と支持した唯一のメディアとなりました。
人との関係
ラブグッド家は、ウィーズリー家と親しい関係にあり、彼らの家はオッタリー・セント・キャッチポール村の近くに位置しています。ルーナ・ラブグッドはハリー・ポッター、ハーマイオニー・グレンジャー、ロン・ウィーズリー、ネビル・ロングボトム、ジニー・ウィーズリーと特に強い絆で結ばれています。第二次魔法戦争中、彼らのハリーへの支援は死喰い人の怒りを買い、一家は大きな危険に晒されました。
名前の語源
「Lovegood」という姓は、英語の「Love」(愛)と「Good」(善)を組み合わせたものです。これは、彼らが持つ風変わりな外見や性格の裏にある、純粋な優しさ、善良さ、そして深い愛情を象徴していると考えられます。この名前は、「悪意」を意味する「Malfoy」(マルフォイ)のような姓と対照的です。
舞台裏情報
- J.K. ローリングは、ルーナ・ラブグッドが後に有名な魔法動物学者 (Magizoologist)となり、ニュート・スキャマンダーの孫であるロルフ・スキャマンダー (Rolf Scamander) と結婚したことを明かしています。二人には、ローカン (Lorcan) とライサンダー (Lysander) という双子の息子がいます。(Pottermore)
- 映画版では、ゼノフィリウス・ラブグッドをリス・エヴァンスが、ルーナ・ラブグッドをイヴァナ・リンチが演じました。特にイヴァナ・リンチの演技は、原作のキャラクターの雰囲気を完璧に捉えているとして、原作者とファンの両方から絶賛されました。(映画設定)