太った修道士

太った修道士 (The Fat Friar) は、ホグワーツ魔法魔術学校に棲む幽霊の一人で、ハッフルパフ寮の陽気な担当幽霊である。彼はその寛大で心優しい性格で知られており、新入生を温かく迎え入れる存在として描かれている。物語における彼の役割は小さいものの、ハッフルパフ寮の価値観である公正さ、忠誠心、そして寛容さを象徴するキャラクターである。

太った修道士の生前の詳細は、主に公式サイトPottermoreで明らかにされている。

  • ホグワーツ時代: 彼はホグワーツ魔法魔術学校の生徒で、組分け帽子によってハッフルパフ寮に組分けされた。
  • 死とその後: 卒業後、彼は聖職者(修道士)となった。彼は自身の魔法を使い、杖でつつくことで庶民の天然痘を治したり、聖餐杯からウサギを取り出したりして人々を助けていた。しかし、その能力が上級聖職者たちの疑念を招き、最終的に処刑されてしまった。(Pottermore)
  • 幽霊として: 死後、彼は幽霊としてホグワーツに戻り、母校であるハッフルパフ寮の担当幽霊となった。彼は毎年、新入生歓迎の宴会に姿を現し、生徒たちと交流している。
  • 外貌: 彼はその名の通り、丸々とした体型の修道士の姿をしている。他の幽霊と同様に、真珠色で半透明の体を持ち、空中を浮遊することができる。
  • 性格: 非常に陽気で、親切、そして何よりも寛容な性格の持ち主である。彼は常に、いたずら好きのポルターガイストであるピーブズにもう一度チャンスを与えるべきだと主張し、他の幽霊たち、特に血まみれ男爵としばしば意見を異にする。新入生に対しては非常に友好的で、彼らがハッフルパフ寮に入ることを心から歓迎する様子が描かれている。
  • 幽霊としての能力幽霊として、彼は壁や物体を通り抜け、空中を浮遊する能力を持つ。
  • 生前の魔法: 生前、彼は癒しの魔法(天然痘の治療)や、基礎的な変身術(聖餐杯からウサギを出す)を使うことができた。(Pottermore)

彼の名前は個人名ではなく、外見と職業をそのまま表したものである。

  • 太った (Fat): 彼の体型を直接的に表現している。
  • 修道士 (Friar): 彼の生前の職業が聖職者であったことを示している。
  • 彼の死因に関する詳細な背景、すなわちマグルの聖職者たちの猜疑心によって処刑されたという設定は、J.K. ローリングの公式サイト(後のPottermore)で初めて明かされた。(Pottermore)
  • 映画版では、彼の姿はいくつかのシーンで確認できるものの、台詞はなく、その役割は大幅に縮小されている。(映画設定)