アブラクサン

アブラクサンは、象ほどもある巨大な体躯を持つ、翼の生えた馬です。その毛並みは輝くようなパロミノ(黄金色)で、目は赤く燃えるような色をしています。その姿は壮麗かつ雄大であり、見る者に強い印象を与えます。

アブラクサンはその強大な力と飛行能力で知られています。

  • 飛行能力 (Flight): 大きな翼を持ち、長距離を飛行することができます。非常に重いものでも空輸する能力があり、ボーバトン魔法アカデミーの巨大な馬車を引いて空を渡ります。
  • 驚異的な力 (Incredible Strength): 12頭のアブラクサンが協力することで、城のような大きさの馬車を軽々と引くことができます。この力は、三大魔法学校対抗試合の際にホグワーツの生徒たちを驚かせました。
  • 特殊な食性 (Special Diet): アブラクサンは極めて特殊な食性を持ち、飲み物としてシングルモルト・ウィスキーしか受け付けません。この性質は、彼らの世話をする上で最も重要な注意点の一つです。

アブラクサンは魔法界で古くから知られる翼を持つ馬の一種です。書籍『幻の動物とその生息地』にもその存在が記載されています。フランスのボーバトン魔法アカデミーでは、長年にわたり主要な交通手段として使用されてきた歴史があります。特に、国際的な行事への参加など、長距離の移動においてその価値が発揮されます。

アブラクサンは、ハリー・ポッターと炎のゴブレットで重要な役割を果たします。1994年に行われた三大魔法学校対抗試合のため、ボーバトン魔法アカデミーの代表団がホグワーツ城に到着する場面で、彼らの乗る巨大な水色の馬車を引く12頭の馬として登場しました。その壮観な到着シーンは、物語における魔法界の国際的な交流を象徴するものでした。ホグワーツ滞在中、アブラクサンたちの世話はルビウス・ハグリッドが担当し、校長のオリンペ・マクシームからウィスキーを与えるよう指示を受けました。