デルミネーター
基本信息
- タイプ (Type): 魔法道具
- 所有者 (Owners): アルバス・ダンブルドア、ロン・ウィーズリー
- 製造者 (Maker): アルバス・ダンブルドア
記述と外観
デルミネーター (Deluminator) は、一見するとごく普通のマグル製の銀のシガレットライターのように見える。普段はポケットに収まるほどの大きさである。アルバス・ダンブルドアが自身の設計で作成した、ユニークで強力な魔法道具である。 日本語版の書籍では主に「灯消しライター」(ひけしライター)と訳されている。
魔法の特性と用途
デルミネーターは、少なくとも二つの非常に異なる魔法の機能を持っている。
- 光の吸収と放出
- デルミネーターの最も基本的な機能は、周囲の光源から光を吸収し、内部に保管することである。使用者が蓋を開けてカチッと鳴らすと、最も近くにある灯り(街灯、ろうそく、ランプなど)が消え、小さな光の球となってデルミネーターの中に吸い込まれる。
- 導きと心の繋がり
- デルミネーターが持つ、より深く、より強力な魔法。それは、持ち主を本当に必要としている場所や人の元へ導く機能である。この機能は、愛や友情、忠誠心といった感情に反応して発動する。
歴史
デルミネーターはアルバス・ダンブルドアによって発明された。彼がいつ、どのような経緯でこれを作成したかは不明だが、彼の独創的な魔法能力の証と言える。
- 1995年: 不死鳥の騎士団のメンバーであるアラスター・ムーディが、ハリーをダーズリー家から護送する際にデルミネーターを借りて使用した。
- 1997年: ダンブルドアは死後、その遺言を通じてデルミネーターをロン・ウィーズリーに遺した。当初、魔法省大臣であったルーファス・スクリムジョールは、これが何か闇の魔術に関連する道具ではないかと疑ったが、ロンはその場で基本的な光を消す機能しか実演できなかった。
物語における役割
デルミネーターは単なる便利な魔法道具ではなく、物語の重要な局面でプロットを動かす鍵となる。
- 友情の試金石と再結束の鍵: ロンがデルミネーターを使って帰還する場面は、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人の絆が試され、そしてより強固になるための重要な転換点となった。デルミネーターがなければ、三人の旅は失敗に終わっていた可能性が高い。
- 希望の光: 最も暗く、絶望的な状況において、デルミネーターは文字通り、そして比喩的にも「光」をもたらす存在として機能した。
幕後情報
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』の英国初版では、この道具は “Put-Outer“(灯消し器)と呼ばれていた。後の版や米国版で “Deluminator” という名称に変更され、定着した。日本語版では一貫して「灯消しライター」という訳語が用いられている。
- 映画版では、デルミネーターのデザインや光の表現が視覚的に描かれており、特にロンが導かれるシーンでは、光の球が彼の胸に飛び込む様子が印象的に演出されている。