イヴァーモーニー魔法魔術学校
基本情報
説明と歴史
以下の情報の大部分は、J.K. ローリングがウェブサイト Pottermore で発表した書き下ろし短編に基づくものです。 イヴァーモーニー魔法魔術学校 (Ilvermorny School of Witchcraft and Wizardry) は、北アメリカ大陸で最も偉大な魔法教育機関の一つです。その創設は17世紀に遡り、サラザール・スリザリンの子孫であるアイルランド出身の魔女イゾルト・セイアによって設立されました。 イゾルトは、純血主義者である叔母のゴームレイス・ゴーントから逃れるため、1620年にメイフラワー号に紛れてアメリカ大陸へ渡りました。そこで彼女はノーマジのジェームズ・スチュワードと出会い、後に結婚します。二人は魔法族の孤児であったチャドウィック・ブートとウェブスター・ブートの兄弟を養子に迎え入れました。 家族のために魔法を教える小さな家として始まったイヴァーモーニーは、やがて北米中の魔法族の子供たちを受け入れる大規模な学校へと発展しました。学校の名前は、イゾルトがアイルランドで過ごした生家の名前に由来します。創設者4人は、それぞれが好きな魔法動物を選び、ホグワーツと同様に4つの寮を創設しました。
- 角水蛇 (Horned Serpent): 額に宝石を持つ川の蛇。学者を好み、精神を象徴する。イゾルトが選んだ。
- ワンプス (Wampus): 猫に似た、素早く力強い魔法動物。戦士を好み、肉体を象徴する。ウェブスターが選んだ。
- サンダーバード (Thunderbird): 嵐を呼ぶことができる鳥。冒険家を好み、魂を象徴する。チャドウィックが選んだ。
- パクワジ (Pukwudgie): 灰色の肌をした小人。癒者を好み、心を象徴する。ジェームズが選んだ。
学校の歴史における最大の危機は、イゾルトを追ってきたゴームレイスによる襲撃でした。ゴームレイスは学校を破壊し、イゾルトの子供たちを殺害しようとしましたが、イゾルト一家と、彼らが友人となったパクワジのウィリアムの活躍によって撃退されました。この戦いの後、イゾルトが持っていたサラザール・スリザリンの杖は校庭に埋められ、治癒の力を持つスネークウッドの木に成長したと伝えられています。(Pottermore)
物語における役割
イヴァーモーニーは『ハリー・ポッター』シリーズの原作小説7冊には登場しません。この学校の存在が初めて公式に言及されたのは、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』とその関連資料です。 作中では、ティナ・ゴールドスタインとクイニー・ゴールドスタインの姉妹がこの学校の出身者であることが示唆されています。また、1920年代のMACUSA (アメリカ合衆国魔法議会) の議長であったセラフィーナ・ピッカリーもイヴァーモーニーの出身で、在学中は4つの寮すべてから選ばれたという逸話を持っています。(映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ設定)
既知の区域
- エントランスホール (Entrance Hall): 訪問者を最初に出迎える場所。創設者であるイゾルトとジェームズの大理石像が置かれている。(Pottermore)
- 円形ホール (Circular Hall): 新入生の組分け儀式が行われる場所。床の中央にはゴルディアスの結び目の紋章が刻まれ、その周りに4つの寮を象徴する木彫りの像が設置されている。新入生が中央に立つと、いずれかの像が反応を示し、その生徒が入るべき寮を示す。(Pottermore)
- 校庭 (Grounds): サラザール・スリザリンの杖から成長したとされる、魔法のスネークウッドの木がある場所。(Pottermore)
幕後情報
- イヴァーモーニーの詳細な設定は、J.K. ローリングが映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の世界観を広げるために、2016年にウェブサイトPottermoreで公開しました。
- 学校の創設物語は、アメリカの開拓史やネイティブアメリカンの伝承から着想を得ています。