ドラゴンの肝 (Dragon Liver)

• タイプ (Type): 魔薬の材料
• 所有者 (Owners): 特定の所有者はなし。魔法使いの世界で広く取引される商品。
• 製造者 (Maker): ドラゴン

原作においてドラゴンの肝の具体的な色や形状に関する詳細な記述はない。しかし、ハリー・ポッターと賢者の石でハリー・ポッターが初めてダイアゴン横丁を訪れた際、薬問屋の店先で樽に入れられ、オンス単位で販売されている様子が描かれている。このことから、ある程度の量が市場に流通している一般的な魔法材料であることがわかる。

ドラゴンの肝は、強力で複雑な魔薬の調合に用いられる重要な材料である。その具体的な魔法特性は明示されていないが、以下のような用途が知られている。

• 高度な魔薬の材料: ホグワーツ魔法魔術学校のN.E.W.T.レベルの魔法薬学の授業で、ホラス・スラグホーンが生徒の薬品棚に常備している材料の一つとして挙げられている。特に、強力な睡眠薬である生ける屍の水薬の調合に使用される可能性がある。
• 価格: ダイアゴン横丁の薬問屋では、「1オンスあたり17シックル」で販売されていた。スラグホーンはこれを「非常に高価 (very valuable)」と評しており、その価値の高さがうかがえる。
• 効能に関する議論: ウルフスベーン薬の発明者であるダモクレス・ベルビーは、この薬にドラゴンの肝の粉末を加えれば改善できると考えていた。しかし、彼の師であったスラグホーンはそれに反対しており、必ずしも万能な材料ではないことが示唆されている。

ドラゴンの肝がいつから魔薬の材料として使われるようになったか、その起源に関する具体的な記述は原作にはない。しかし、ダイアゴン横丁で一般的に販売され、ホグワーツの高度な授業で基本的な材料として扱われていることから、魔薬学の歴史において古くから利用されてきた伝統的な材料であると考えられる。

ドラゴンの肝は、物語において主に魔法界の日常や経済、そして魔法薬学の奥深さを示すための世界観構築の要素として機能している。

• 魔法界の紹介: ハリー・ポッターと賢者の石において、ハリーが初めて魔法界に触れる場面で登場する。コウモリの脾臓やウナギの目玉といった奇妙な品々と並んでドラゴンの肝が売られている光景は、魔法界の独自性を読者に強く印象付けた。
• 高度な魔法の象徴: ハリー・ポッターと謎のプリンスでは、スラグホーンの授業を通じて、より専門的で難しい魔薬の世界を描写する小道具として再登場する。その価値や用途に関する言及は、ハリーたちがより高度な魔法を学び始めたことを示している。

作者のインタビューや公式の補足資料において、ドラゴンの肝に関する特別な裏話は明かされていない。その魔法的な特性は、多くの神話や伝承においてドラゴンが持つ強力な生命力や魔力の象徴としてのイメージを反映しているものと考えられる。