ハゲタカ (オーガスタ・ロングボトムの帽子)
基本情報
- タイプ (Type): 魔法道具 (衣類)
- 所有者 (Owners): オーガスタ・ロングボトム
- 製造者 (Maker): 不明
記述と外観
オーガスタ・ロングボトムが所有する、背の高い婦人用の帽子。その最大の特徴は、てっぺんに飾られた虫に食われた大きなハゲタカの剥製である。この剥製は、この帽子に滑稽で印象的な外観を与えている。原作の描写によれば、この帽子には長い緑色のベールも付いていたとされる。
魔法特性と用途
この帽子自体に固有の魔法の力が備わっているわけではない。しかし、ボガートを撃退する呪文であるリディクラスを使用する際に、「滑稽なもの」を想像するための重要なイメージとして機能した。 ボガートは人の最も恐れるものに姿を変える性質を持つが、笑い声によって力を失う。そのため、リディクラスの呪文は、術者が心の中に恐怖の対象を滑稽な姿に変える想像を強く思い描き、それをボガートに強制することで効果を発揮する。この帽子は、ネビル・ロングボトムにとって、彼の恐怖の対象であるセブルス・スネイプを無力化するための完璧な「滑稽なアイテム」であった。
歴史
この帽子の製造者や来歴に関する詳しい情報は不明である。オーガスタ・ロングボトムの普段のワードローブの一部であったと考えられる。 この帽子が魔法史において特筆される唯一の出来事は、1993年から1994年にかけてのホグワーツ魔法魔術学校の年度に起きた。リーマス・ルーピンが教える「闇の魔術に対する防衛術」の授業で、ネビル・ロングボトムがボガートと対峙した際に使用された。
物語における役割
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』において、この帽子はネビル・ロングボトムの成長を象徴する重要な役割を果たした。 授業中、ネビルのボガートは彼が最も恐れるセブルス・スネイプの姿に変わった。リーマス・ルーピンの助言に従い、ネビルはスネイプが自分の祖母であるオーガスタ・ロングボトムの服を着ている姿を想像した。ネビルが勇気を出してリディクラスの呪文を唱えると、ボガートのスネイプは緑色のドレスと巨大な深紅のハンドバッグを身につけ、頭にはこのハゲタカが載った帽子をかぶった姿に変身した。 この滑稽な光景に教室は笑いに包まれ、ボガートは無力化された。この成功体験は、それまで自信がなかったネビルにとって大きな一歩となり、彼が内に秘めた勇気を初めて示す重要な瞬間となった。
幕後情報
- 映画『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、このシーンが忠実に映像化されており、アラン・リックマン演じるスネイプがハゲタカの帽子をかぶる姿は、ファンにとって非常に印象的な場面の一つとなっている。(映画設定)