フィリバスターの仕掛け花火
基本情報
- タイプ: 魔法のいたずら道具、花火
- 所有者: フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリー (使用者)
- 製造者: フィリバスター博士 (Dr. Filibuster) (名前からの推測)
説明と外観
フィリバスターの仕掛け花火は、魔法界で市販されているいたずら用の花火です。その最大の特徴は、製品名が示す通り「水気があっても点火し、熱を発しない (Wet-Start, No-Heat)」という点にあります。 点火されると、赤と青の星が大量に放出されます。これらの星は天井や壁に当たると跳ね返り、少なくとも30分間は消えずに室内を飛び交い続けます。熱を発しないため、屋内、特にホグワーツ城のような石造りの建物内で使用しても火災の危険性がなく、安全ないたずら道具として設計されています。
魔法的な特性と用途
この花火の主な用途は、陽動や混乱を引き起こすことです。その魔法的な特性は以下の通りです。
- 湿気への耐性: 魔法によって、湿った場所でも確実に着火します。
- 無熱性: 燃焼しても熱を発生させないため、周囲の物を燃やすことがありません。これにより、屋内での使用が可能です。
- 持続性: 一度点火すると、長時間にわたって視覚的な妨害効果を生み出します。管理者が魔法で消去しようとしても、簡単には処理できない性質を持っています。
これらの特性により、教師や監督生の注意を逸らし、その隙に秘密の行動を実行するための優れた道具となります。
物語における役割
フィリバスターの仕掛け花火は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』において重要な役割を果たします。 ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーがポリジュース薬を使ってスリザリンの談話室に潜入する計画を実行した際、フレッドとジョージ・ウィーズリーが陽動のためにこの花火を使用しました。二人は5階の廊下で花火を点火し、城の管理人であるアーガス・フィルチの注意を完全に引きつけました。フィルチが花火の対応に追われている間に、ハリーとロンは首尾よく目的地にたどり着くことができました。 この出来事は、ウィーズリー家の双子が単なるいたずら好きではなく、その技術を友人を助けるために戦略的に活用することを示す初期の例となっています。また、彼らが後に開発する、より強力で壮大な花火製品「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」の原型ともいえる存在です。
幕後情報
- 「フィリバスター (Filibuster)」という言葉は、もともと議会において長時間の演説などによって議事進行を妨害する行為を指す政治用語です。この花火がフィルチの仕事を長時間にわたって妨害したことから、非常に的を射た命名であると言えます。