ブルガリア・ナショナル・クィディッチチーム

  • シーカー (Seeker): ビクトール・クラム
  • キーパー (Keeper): ゾグラフ
  • チェイサー (Chasers): ディミトロフ, イワノフ, レフスキ
  • ビーター (Beaters): ヴォルコフ, ヴァルチャノフ

ブルガリア・ナショナル・クィディッチチームは、世界トップクラスの実力を持つクィディッチチームである。1994年に開催された第422回クィディッチ・ワールドカップでは決勝に進出し、アイルランド・ナショナル・クィディッチチームと対戦した。 チームのプレースタイルは、非常に攻撃的かつ荒々しいことで知られている。ワールドカップ決勝戦では、アイルランドチームに対して複数のファウル(「コビング」や「ブラッギング」など)を犯しており、そのプレースタイルの激しさが伺える。 チームの最大のスター選手は、当時まだ10代でありながら世界最高のシーカーと称されたビクトール・クラムである。彼は危険なダイブで相手シーカーを地面に激突させる高等技術「ロンスキー・フェイント」を完璧にこなすことで有名だった。また、チームのマスコットであるヴィーラの魅力的なダンスは、観客や相手チーム、さらには審判さえも惑わせる強力な応援手段となっていた。

ブルガリアチームは、主に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の序盤で重要な役割を果たす。物語の冒頭、ハリー・ポッターウィーズリー家ハーマイオニー・グレンジャーが観戦したクィディッチ・ワールドカップ決勝戦の出場チームとして登場した。 決勝戦は、アイルランドのチェイサー陣による圧倒的な得点力と、ブルガリアのビクトール・クラムによる卓越した飛行技術の応酬となった。試合はアイルランドが優勢に進めたが、最終的にクラムがゴールデン・スニッチを捕球した。しかし、スニッチ捕球による150点を加えてもアイルランドの得点には届かず、最終スコア160対170でブルガリアは敗北した。クラムは、これ以上チームが一方的に打ちのめされるのを見るに忍びず、自らの手で試合を終わらせるためにスニッチを捕ったとされている。この敗北にもかかわらず、クラムのプレーはロン・ウィーズリーをはじめとする多くのファンを魅了した。 このワールドカップでの活躍により、クラムの世界的な名声は確固たるものとなり、後に彼がダームストラング専門学校の代表選手として三大魔法学校対抗試合に出場した際の衝撃をより大きなものにした。

  • 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ブルガリアチームのユニフォームは原作の「深紅」とは異なり、より暗い色調の茶色や濃い赤を基調とした、ミリタリー調のデザインとなっている。(映画設定)