ゴールデン・スニッチ
基本情報
記述と外見
ゴールデン・スニッチ (Golden Snitch)、通称スニッチ (Snitch) は、クィディッチの試合で使われる3種類のボールのうち、最も小さく、最も重要なボールである。その大きさはクルミほどで、まばゆい金色の球体に、一対の小さな銀色の翼がついている。この翼は非常に素早く羽ばたき、スニッチに驚異的なスピードと、予測不能な動きで飛び回る能力を与えている。 ハリー・ポッターがアルバス・ダンブルドアから遺贈された特定のスニッチには、「私は終わる時に開く (I open at the close)」という謎めいた銘が刻まれていた。
魔法の特性と用途
歴史
スニッチが発明される以前、初期のクィディッチではゴールデン・スニジェットという絶滅危惧種の魔法鳥が使われていた。スニジェットを捕まえると150点が与えられるというルールだったが、これにより乱獲が進み、種が絶滅の危機に瀕した。 この状況を憂慮したゴドリックの谷出身の著名な魔法金属細工師、ボーマン・ライト (Bowman Wright) が、スニジェットの動きと重さを完璧に模倣した機械仕掛けのボール、ゴールデン・スニッチを発明した。これにより、スニジェットは保護され、クィディッチは現在の形へと発展した。(『クィディッチ今昔』より)
物語における役割
ゴールデン・スニッチは、ハリー・ポッターの物語全体を通じて象徴的な役割を果たす。
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』: ハリーは初めてのクィディッチの試合で、スニッチを口で捕まえるという離れ業を成し遂げ、グリフィンドールを勝利に導く。この出来事は彼のシーカーとしての類稀なる才能を示すと同時に、後に重要な伏線となる。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』: アルバス・ダンブルドアの遺言により、ハリーはこの「最初のスニッチ」を相続する。刻まれた「私は終わる時に開く」の謎は、物語の終盤までハリーを悩ませる。最終的に、彼がヴォルデモートとの対決を決意し、死を覚悟した時に、スニッチは開いて蘇りの石を現した。この石の力で、ハリーは両親、シリウス・ブラック、リーマス・ルーピンの霊的な姿に再会し、最後の戦いに臨む勇気を得る。
舞台裏情報
- 映画版では、スニッチは非常に複雑で機械的な内部構造を持つデザインで描かれている。これは原作にはない詳細な描写である。(映画設定)
- 「Snitch」という英単語には「こっそり盗む」や「密告する」といった意味があり、その捕まえにくく神出鬼没な性質を表している。