ボウトラックル (Bowtruckle)

  • 魔法省分類 (Ministry of Magic Classification): 魔法省分類XX(無害/飼育可能)
  • 生息地 (Native Habitat): イングランド西部、南ドイツ、およびスカンジナビアの一部の森
  • 食性 (Diet): 昆虫食(特にウッドラウス (woodlice) を好む)
  • 特徴 (Distinguishing Features): 樹木のような外見、鋭い指、平和的だが縄張り意識が強い
  • 別名 (Alternate Names): 護樹羅鍋 (ごじゅらなべ)

ボウトラックル (Bowtruckle) は、魔法の杖の材料となる木を守る、樹木の姿をした小型の魔法生物です。身長は最大でも8インチ(約20センチメートル)ほどで、樹皮と小枝でできた体に、二つの小さな茶色い目を持っています。その外見は植物と酷似しているため、生息する木にいるところを見つけるのは非常に困難です。 彼らは基本的に穏やかで極度に内気な性質を持っていますが、自身の住処である木や家族に危険が迫ると、驚くほど攻撃的になります。ボウトラックルは、長く鋭い指を武器として使い、木の伐採者や敵の目をえぐろうとすることで知られています。 ボウトラックルの主な食料は昆虫で、特にウッドラウス (woodlice) を大好物とします。魔法使いや魔女が、ボウトラックルの住む木から杖の材料を平和的に採取したい場合、ウッドラウスを差し出して彼らの気をそらすのが有効な方法です。

ボウトラックルが初めて詳しく描写されたのは、ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団においてです。ルビウス・ハグリッドが不在の間、代理魔法生物飼育学の授業を受け持ったウィルヘルミーナ・グラブリー=プランプラン教授が、5年生の生徒たちにボウトラックルを課題として与えました。 授業中、ハリー・ポッターロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーのグループは、他の個体よりも攻撃的なボウトラックルを観察することになりました。生徒たちはボウトラックルの生態を学び、スケッチを描き、好物であるウッドラウスを与えました。この授業は、ドローレス・アンブリッジによるホグワーツの視察対象となり、彼女の干渉を受けることになります。

“Bowtruckle” という名前は、古い英語の方言に由来すると考えられます。

  • Bow: 古英語で「住む」を意味する “bowe”、または木の「大枝」を意味する “bough” から来ている可能性があります。
  • Truckle: スコットランドの古い方言で「小枝」や「節くれだった」を意味する言葉に由来する可能性があります。

この二つを組み合わせると、「枝に住む者」や「節くれだった小枝」といった意味になり、その外見と生態を的確に表しています。

  • 映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズ: このシリーズではボウトラックルがより重要な役割を担っています。主人公ニュート・スキャマンダーの仲間として、ピケット (Pickett) という名のボウトラックルが登場します。ピケットはニュートに非常によく懐いており、彼の胸ポケットにいることが多いです。(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ設定)
  • 特殊能力: 映画の中で、ピケットは手先の器用さを活かして鍵開けを行う能力を披露しますが、これは映画独自の描写であり、原作小説や教科書『幻の動物とその生息地』には記載されていません。(映画設定)