マレディクタス (Maledictus)

マレディクタス (Maledictus) とは、最終的に恒久的に特定の動物の姿に変身してしまう、遺伝性の「血の呪い」を背負った女性を指す言葉です。この呪いは母親から娘へと受け継がれます。これは、本人の選択によって動物に変身する能力を習得するアニマガス (Animagus) や、噛まれることで感染し満月の夜に変身する人狼 (Werewolf) とは全く異なる魔法的状態です。 この概念は『ハ利ー・ポッター』シリーズの原作小説には一切登場せず、映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』で初めて詳細が明かされた設定です(ファンタスティック・ビーストシリーズ設定)。

マレディクタスの呪いは、時間と共に進行するという悲劇的な性質を持っています。

  • 遺伝性の呪い: この呪いは血筋によってのみ受け継がれ、必ず母親から娘へと遺伝します。
  • 変身の進行: 呪いの初期段階では、マレディクタスは自身の意志で動物の姿に変身したり、人間の姿に戻ったりすることができます。しかし、年齢を重ねるにつれて変身の制御が次第に困難になり、最終的には意志とは無関係に変身してしまいます。
  • 不可逆的な結末: 呪いの最終段階に至ると、マレディクタスは完全に理性を失い、恒久的に動物の姿に囚われ、二度と人間の姿に戻ることはできなくなります。

現在、魔法界の歴史において名前が知られているマレディクタスは一人だけです。

「マレディクタス (Maledictus)」という言葉はラテン語に由来します。

  • Male: 「悪く」「邪悪に」を意味する接頭辞。
  • Dictus: 「言われた」「定められた」を意味する動詞 dicere の過去分詞形。

これらを組み合わせると、「呪われた者」や「悪しき運命を宣告された者」という意味になり、その者の逃れられない悲劇的な運命を的確に表現しています。

  • この設定は、J.K. ローリングによって映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズのために創造された後付けの設定であり、原作小説7巻には一切言及がありません(ファンタスティック・ビーストシリーズ設定)。
  • J.K. ローリングは、ナギニが元は人間であり、マレディクタスであるというアイデアを約20年間温めていたと、自身のTwitterアカウントで明かしています(作者の発言)。