ユニコーン

ユニコーンは、純粋さと無垢を象徴する、非常に美しい魔法生物である。その血、毛、角には強力な魔法の力が宿っており、古くから様々な魔法の分野で利用されてきた。無防備で清らかな生き物を殺すことは、魔法界において最も忌まわしい行為の一つとされている。

成獣は純白の馬の姿をしており、額から一本の角が生えている。非常に素早く、捕獲するのは極めて困難である。ユニコーンは以下のように成長する。

  • 生まれたばかりの子馬は純金色をしている。
  • 2歳頃に銀色になる。
  • 4歳頃に角が生える。
  • 7歳で成獣となり、体毛は純白に変わる。

ユニコーンの体の各部位は、強力な魔法の特性を持つ。

  • ユニコーンの血: 銀色がかった青色をしており、瀕死の人間を死の淵から救い出す力を持つ。しかし、純粋な生き物の血を啜って命を永らえた者は、その瞬間から半死半生の呪われた人生を送ることになる。
  • ユニコーンの尾の毛: として使われる代表的な素材の一つ。ドラコ・マルフォイセドリック・ディゴリーリーマス・ルーピンの杖に使用されていた。ユニコーンの毛を芯とする杖は、最も安定した魔法を繰り出すことができ、持ち主に忠実で、闇の魔術に転じにくい特性を持つ。(Pottermore)
  • ユニコーンの角: 粉末にして魔法薬の材料として用いられる。強力な浄化作用と治癒効果があるとされる。

ハリー・ポッターと賢者の石において、ユニコーンは物語の重要な要素として登場する。ヴォルデモートは、クィリナス・クィレルに憑依した不完全な状態で延命するため、禁じられた森でユニコーンを殺害し、その血を飲んでいた。ハリー・ポッターは罰則として森に入った際にその現場を目撃し、半人半馬のフィレンツェによって救われる。この出来事は、ハリーが初めてヴォルデモートの邪悪さと延命への執着を目の当たりにする重要な場面である。 ハリー・ポッターと謎のプリンスでは、ホラス・スラグホーンがユニコーンの尾の毛が1本10ガリオンもすると語り、その希少価値の高さが示された。

  • 魔法省による分類は「XXXX」(危険、専門知識が必要、または熟練した魔法使いでないと扱えない)。これはユニコーンが強力な魔法生物であるためだが、攻撃的だからではない。(幻の動物とその生息地