寮の得点計
基本情報
- タイプ (Type): 魔法道具
- 所有者 (Owners): ホグワーツ魔法魔術学校
- 製造者 (Maker): 不明
記述と外観
寮の得点計は、ホグワーツ城の玄関ホールに設置されている4つの巨大なガラス製の砂時計です。それぞれの砂時計はホグワーツの四つの寮、すなわちグリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンを象徴しています。 通常の砂時計と異なり、これらの内部は砂ではなく、各寮を象徴する宝石で満たされています。
これらの宝石が、各寮が獲得した得点を視覚的に示します。
魔法的な特性と用途
寮の得点計の主な機能は、寮対抗杯の得点を自動的かつリアルタイムで記録・表示することです。教職員や監督生が特定の生徒の寮に得点を与えると、対応する砂時計の上部の球から宝石が下の球へと魔法のように落下します。逆に、減点されると下の球から宝石が上部へと戻されます。 下の球に溜まった宝石の量が、その寮の現在の総得点を示しており、生徒や教職員はいつでも各寮の順位を確認することができます。これは、寮間の競争意識を高めるための重要な装置として機能しています。
在故事中的作用
寮の得点計は、物語の重要な場面でたびたび登場し、学内の力関係や雰囲気を象徴する役割を果たします。
- ハリー・ポッターと賢者の石: 学年末の饗宴で、アルバス・ダンブルドアがハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャー、そしてネビル・ロングボトムに土壇場で得点を与えた際、グリフィンドールの砂時計はルビーで満ちあふれました。これにより、グリフィンドールは7年ぶりにスリザリンを破り、劇的な逆転で寮対抗杯を手にしました。
- ハリー・ポッターと秘密の部屋: ダンブルドアを停職させるために学校を訪れたルシウス・マルフォイは、スリザリンの砂時計のエメラルドがグリフィンドールのルビーに比べて少ないことに気づき、不満を漏らしています。
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: ドローレス・アンブリッジがホグワーツの支配を強める中で、彼女と尋問官親衛隊は、グリフィンドール生をはじめとする自分たちに反抗的な生徒たちから不当に得点を剥奪するための道具としてこの得点計を利用しました。これにより、得点計はアンブリッジによる圧政の象徴となりました。
- ハリー・ポッターと死の秘宝: ホグワーツの戦いの最中、玄関ホールに置かれていた寮の得点計は破壊され、その宝石は床に散乱しました。これは、学校の伝統的な秩序が崩壊し、戦争という非常事態に突入したことを象徴する出来事でした。
幕後情報
- 宝石の不一致: 原著において、ハッフルパフの宝石については記述の不一致が見られます。『ハリー・ポッターと賢者の石』では「トパーズ (topazes)」とされていますが、『ハリー・ポッターと死の秘宝』では「ダイヤモンド (diamonds)」と言及されています。これはシリーズにおける軽微な矛盾点の一つです。
- 映画版での描写: 映画版では、寮の得点計は原作の記述に忠実に、巨大で印象的な小道具として視覚化されています。特に『賢者の石』のラストシーンでは、CGによって宝石が動く様子が効果的に描かれました。