監督生のバスルーム

監督生のバスルームは、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒の中でも特定の役職に就いた者だけが利用を許される、特別な浴室です。城の5階に位置し、入り口は当惑したボリスの像の隣にある、傷だらけの古い木製のドアです。入室するには正しい合言葉を告げる必要があり、作中でハリー・ポッターが使用した合言葉は「松の木フレッシュ」でした。 内部は非常に広大かつ豪華で、壁、床、天井のすべてが眩いばかりの白い大理石でできています。部屋の中央には、床に埋め込まれる形で設置された、長方形でプールほどの大きさを持つ巨大な浴槽があります。天井からは、燃え盛る蝋燭が浮かぶ壮麗なシャンデリアが吊り下げられています。 浴槽の縁には、それぞれに異なる色の宝石がはめ込まれた約100個もの金の蛇口が並んでおり、ひねると様々な種類の魔法の泡や香りの湯が出てきます。例えば、ピンクとブルーの泡が雲のように浮かんだり、固くて弾けない虹色の泡が山のように盛り上がったりと、利用者は多種多様な入浴を楽しむことができます。 その他の設備として、真っ白でふわふわの分厚いタオル、薄いリネンのカーテン、そして壁には金縁の額に入れられた、岩の上で眠る美しい人魚の肖像画が飾られています。この肖像画の人魚は、入浴者がいると目を覚まして話しかけてくることがあります。また、城の配管を通じて嘆きのマートルが頻繁にこの浴室を訪れます。

この場所が物語で最も重要な役割を果たしたのは、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』においてです。三大魔法学校対抗試合の第二の課題の謎が隠された金色の卵の解き方が分からずにいたハリーは、セドリック・ディゴリーから「風呂に持っていく」という助言を受け、この浴室を訪れました。 当初、ハリーは謎を解くことができませんでしたが、そこに現れた嘆きのマートルのヒントにより、卵を水中に沈めることを思いつきます。水中で卵を開けたハリーは、水中人が歌う第二の課題の内容を聞き取ることに成功し、無事に課題を乗り越えるための重要な手がかりを得ました。この出来事は、ハリーが対抗試合を勝ち進む上で決定的な転機となりました。 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、`スリザリン`の監督生となったドラコ・マルフォイが、何かを企むためにこの浴室を利用しているのではないかとハリーが疑い、忍びの地図で彼の動向を監視する場面がありました。

  • 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、この浴室の豪華絢爛な様子が、原作の記述に極めて忠実かつ壮大なスケールで映像化されました。(映画設定)