首なし狩り一行 (The Headless Hunt)

首なし狩り一行は、完全に首が胴体から切り離された幽霊のみで構成される、排他的な幽霊のクラブです。彼らは亡霊の馬に乗り、狩りのような活動を行うことで知られています。グリフィンドール寮付きの幽霊であるほとんど首無しニックが、この一行への入会を熱望していることで物語に登場します。

首なし狩り一行は、半透明の銀色の姿をした幽霊の集団で、それぞれが亡霊の馬にまたがっています。彼らは集団でホグワーツ魔法魔術学校の敷地内を駆け巡り、角笛を吹き鳴らしながら狩りの흉내をします。 彼らの最も特徴的な活動は、「首ポロ」や「首ホッケー」として知られるゲームです。このゲームでは、メンバーが自らの切断された頭部をボールの代わりに使用し、馬上からポロスティックで打ち合います。この活動は、ほとんど首無しニックの500回目の死んだ日パーティーで披露され、パーティーを大混乱に陥れました。

首なし狩り一行への入会には、極めて厳格な資格基準が存在します。

  • 絶対条件: 候補者の頭部が、胴体から完全に分離していること。

この厳格な規則のため、ほとんど首無しニックは入会を繰り返し拒否されています。彼の首は斧による処刑が失敗した結果、約1センチ半の皮と腱でかろうじて胴体と繋がっているため、「ほとんど首無し」であっても「完全に首無し」ではないと見なされています。一行のリーダーであるパトリック・デラニー=ポドモア卿は、この点を理由にニックの申請を却下する手紙を送りました。

  • パトリック・デラニー=ポドモア卿 (Sir Patrick Delaney-Podmore): 首なし狩り一行のリーダー格。目立つ羽飾りのついた帽子を被っています。
  • その他、名前不詳のメンバー: 片目の幽霊など、少なくとも十数名のメンバーがいることが描写されています。

首なし狩り一行は、主に『ハリー・ポッターと秘密の部屋』において重要な役割を果たします。

  1. ニックの劣等感の象徴: この団体は、ほとんど首無しニックが抱える最大のコンプレックスと、幽霊社会における彼の微妙な立場を象徴しています。彼の悲願は一行に加わることであり、そのために彼らを自らの死んだ日パーティーに招待しました。
  2. 物語の転換点: ニックのパーティーに乱入した一行が首ホッケーを始めたことで、ハリー・ポッターロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーはその場を離れることになります。その直後、ハリーは誰にも聞こえないバジリスクの声を初めて聞き、秘密の部屋を巡る事件の核心に迫っていくきっかけとなりました。