騎士バス

  • タイプ (Type): 魔法交通機関
  • 所有者 (Owners): 魔法省
  • 製造者 (Maker): 不明

騎士バスは、非常に目立つ紫色の三階建てバスです。フロントガラスの上には金色の文字で「騎士バス」と記されています。このバスは物理的な障害物をものともせず、建物や他の乗り物をすり抜けて進むことができます。 車内は時間帯によって様子が異なります。日中は一般的な座席の代わりに、真鍮製のベッドが十数台設置されています。夜間にはこれらのベッドは消え、乗客のための椅子が現れます。乗り心地は極めて荒々しく、急発進、急ブレーキ、急旋回を繰り返すため、乗客はしっかりと何かに掴まっている必要があります。

騎士バスの主な目的は、移動手段がなく立ち往生している魔女や魔法使いのための緊急交通手段として機能することです。

  • 召喚方法: バスを呼ぶためには、魔女や魔法使いが道端に立ち、を持った腕をまっすぐ突き出すだけです。すると、大きなバンという音と共にバスが瞬時に現れます。
  • 移動能力: 騎士バスは通常の物理法則を完全に無視します。他の乗り物の間をすり抜けたり、障害物を飛び越えて数百メートル先へ瞬間移動したりすることが可能です。マグルにはこのバスは見えませんが、何かが猛スピードで通り過ぎるのを感知することはあります。
  • 乗組員: 通常、バスには運転手と車掌が乗務しています。
  1. ハリー・ポッターとアズカバンの囚人: ハリー・ポッターは、ダーズリー家を家出した後、意図せずして初めて騎士バスを呼び出します。彼はこのバスに乗り、リトル・ウィンジングから破釜酒吧へと移動しました。この道中、彼は車掌のスタン・シャンパイクから日刊予言者新聞を見せられ、脱獄囚シリウス・ブラックが自分を追っているという(誤った)情報を得ます。
  2. ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: ホグワーツへ向かう学期の初め、ハリーとウィーズリー家の子供たちは、不死鳥の騎士団のメンバーであるニンファドーラ・トンクスリーマス・ルーピンの護衛のもと、グリモールド・プレイス十二番地からキングズ・クロス駅への移動に騎士バスを利用しました。これは、ロンドンの市街地上空をで飛ぶよりも目立たないための選択でした。
  3. ハリー・ポッターと謎のプリンス: スタン・シャンパイク死喰い人であるとの容疑で逮捕されたことが語られます。ハリーは彼の無実を確信しており、この出来事は第二次魔法戦争下における魔法省の混乱と過ちを象徴するものでした。
  • 名前の由来は、イギリスの主要都市で運行されている深夜バスサービス「ナイト・バス (Night Bus)」にかけた言葉遊びです。同時に、困っている魔法使いを救いに来る「騎士 (Knight)」の役割も示唆しています。
  • 映画版では、バックミラーからぶら下がったしゃべる干し首が登場し、乗客と会話を交わすコミカルな案内役として描かれています。これは映画独自の追加要素です。(映画設定)
  • 騎士バスは1865年に、未成年や体の不自由な魔法使いたちが人目を忍んで移動するための手段として導入されたとされています。(Pottermore)