フローバーワームは、魔法界で最も退屈な生物の一つとして知られています。その生態は極めて単純で、主な活動は食事と粘液の分泌です。彼らは両端から粘液を分泌し、この粘液は魔法薬を濃くする効果があるため、魔法薬学において利用価値があります。 彼らは非常にデリケートな消化器官を持っており、食べ過ぎると死んでしまうことがあります。そのため、飼育する際は過剰な世話をせず、自然な状態に保つことが最も良いとされています。彼らはほとんど動かず、刺激に対しての反応も皆無に等しいため、魔法生物飼育学の授業では、生徒たちにとって極めて面白味のない研究対象と見なされています。その退屈さから、魔法省による危険度分類では最低ランクの「X」に指定されています。この分類は、危険性がないことを意味します。
フローバーワームは、主に『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で重要な役割を果たします。ルビウス・ハグリッドが魔法生物飼育学の教授に就任した最初の授業で、3年生の生徒たちはこの生物を研究するよう指示されました。ハグリッド自身はフローバーワームに魅力を感じていましたが、生徒たちのほとんど、特にドラコ・マルフォイをはじめとするスリザリンの生徒たちは、その退屈さに不満をあらわにしました。この授業は、どんな生物にも愛情を注ぐハグリッドの性格と、危険なヒッポグリフを扱う彼の次の授業との対比を際立たせる役割を担っています。 また、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、ハリー・ポッターたちのO.W.L.試験(ふくろう試験)の魔法生物飼育学実技試験において、フローバーワームの識別問題が出題されました。
“Flobberworm” という名前は、その性質を的確に表しています。