セルウィン (Selwyn)

セルウィンは、ヴォルデモート卿に仕える死喰い人 (Death Eater) の一員であり、第二次魔法戦争において活動した純血の魔法使いです。彼は由緒ある魔法族であるセルウィン家の出身と考えられており、物語の終盤でハリー・ポッターとその仲間たちを追跡する任務や、ホグワーツの戦いに参加するなど、ヴォルデモート卿の忠実な部下として行動しました。

セルウィンの前半生に関する情報はほとんどありませんが、彼の活動は主に第二次魔法戦争の最中に記録されています。 ハリー・ポッターと死の秘宝において、彼はヴォルデモート卿が権力を掌握する過程で重要な役割を果たしました。1997年の夏、彼はマルフォイの館で開かれた死喰い人の会合に出席しています。この席でヴォルデモート卿は、ハリー・ポッターを殺害するためにルシウス・マルフォイの杖を要求しましたが、それが失敗に終わることを見越して、他の部下からも杖を求めました。セルウィンは自らの杖を差し出しましたが、その杖もまた、ヴォルデモート卿がハリーを攻撃した際にプリベット通りの上空で破壊されました。 その後、セルウィンはハリー・ポッターロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーの3人を捕らえる任務に従事します。ゼノフィリウス・ラブグッドが娘のルーナ・ラブグッドの安全と引き換えに3人の居場所を密告した際、セルウィンはトラバースと共にラブグッド家に現れました。彼は家が爆発した後も執拗に3人を捜索しましたが、彼らは姿くらましで逃走したため捕獲に失敗しました。 1998年5月2日のホグワーツの戦いにも、セルウィンはヴォルデモート卿側として参戦しました。戦闘の最終局面において、彼はヴォルデモート卿キングズリー・シャックルボルトミネルバ・マクゴナガルホラス・スラグホーンと同時に決闘している最中に、近くの敵を攻撃しようとしました。しかし、透明マントを被ったハリー・ポッターによって失神呪文をかけられ、無力化されました。

原作小説において、セルウィンの具体的な外見に関する記述はありません。 彼の性格は、その行動から冷酷で残忍であると推測されます。彼はヴォルデモート卿への忠誠心から躊躇なく自身のを差し出し、ハリー・ポッターたちを捕らえるためにはいかなる手段も厭わない様子を見せました。ラブグッドの家での追跡や、ホグワーツの戦いでの積極的な戦闘参加は、彼が死喰い人の掲げるイデオロギーに深く傾倒していることを示しています。

セルウィンは、死喰い人として活動できるだけの十分な魔法戦闘能力を持っていたと考えられます。

  • 決闘能力: 彼はホグワーツの戦いという極めて危険な戦場を生き延び、最終局面まで戦い抜きました。これは彼が高いレベルの決闘技術、特に攻撃呪文と防御呪文に長けていたことを示唆します。
  • 闇の魔術: 死喰い人の一員として、彼は許されざる呪文を含む様々な闇の魔術に精通していた可能性が非常に高いです。
  • : 彼の杖の材質、芯、長さなどの詳細は不明です。この杖はヴォルデモート卿に貸し与えられ、ハリー・ポッターとの戦いで破壊されました。
  • セルウィンの杖: 彼が所有していた唯一言及された物品。ヴォルデモート卿に貸し出され、結果的に破壊されるという、彼の忠誠心とヴォルデモート卿の冷酷さを示す象徴的なアイテムとなりました。
  • ヴォルデモート卿: セルウィンはヴォルデモート卿の忠実な信奉者でした。主君の命令には絶対服従し、自らの杖を差し出すことも厭いませんでした。
  • 死喰い人: 彼はトラバースなどの他の死喰い人と共に行動しており、組織内で連携して任務を遂行していました。
  • セルウィン家: 彼は純血の旧家であるセルウィン家の一員であるとされています。この家名は、魔法界で最も神聖視される28の旧家系リスト「聖28一族」にも含まれています。

「Selwyn」は古英語に由来する名前で、「sel」(城、館)と「wyn」(友)という二つの要素から成り立っています。「館の友」といった意味合いを持ちますが、彼の死喰い人としての冷酷な性格とは皮肉な対比をなしています。

  • セルウィン家は、J.K. ローリングが後に公式サイト Pottermore (現在の Wizarding World) で公開した「聖28一族 (The Sacred Twenty-Eight)」のリストに含まれており、古くから続く純血の家系であることが公式に補強されています。(Pottermore)
  • 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、俳優のロッド・ハント (Rod Hunt) がクレジットなしでセルウィンと思われる死喰い人を演じています。彼は「七人のポッター」の追跡シーンや、マルフォイの館での会合、ラブグッド家での襲撃シーンに登場します。(映画設定)