トランク
基本情報
- タイプ (Type): 魔法道具、収納用具
- 製造者 (Maker): 不明(特注品を除く)
記述と外観
トランクは、魔法使いや魔女、特にホグワーツ魔法魔術学校の生徒が学用品や私物を運ぶために使用する、最も基本的な魔法道具の一つである。通常は木製で、真鍮などの金属製の留め金がついている。持ち主の名前が記されていることも多い。 ほとんどのトランクは外見上、マグルの古い旅行カバンと大差ないが、多くは魔法によって強化されている。
- 特殊なトランク
- アラスター・ムーディのトランク: 7つの鍵穴がある非常に特殊なトランク。それぞれの鍵穴が異なる区画に対応しており、中には呪文の書物、かくれん防止器などの闇の検知器、そして最も深い7番目の区画には深さ10フィートの地下室のような空間が広がっている。バーテミウス・クラウチ・ジュニアは、本物のアラスター・ムーディをこの7番目の区画に一年近く監禁していた。
- ニュート・スキャマンダーのトランク: 内部に検知不可能拡大呪文が強力にかけられており、広大な空間が広がっている。この空間は様々な魔法動物たちのための保護区となっており、それぞれの生息環境が再現されている。また、マグルの税関職員などの目を欺くための「マグル用」設定に切り替える機能も備わっている。(『ファンタスティック・ビースト』シリーズ設定)
魔法特性と用途
トランクの主な用途は物品の収納と運搬だが、その機能は魔法によって大幅に拡張される。
- 軽量化: 魔法によってトランク自体や中身の重量を軽くし、持ち運びを容易にすることができる。
- セキュリティ: 開かない呪文 (Colloportus) や、より複雑な呪文で施錠することができる。ムーディのトランクのように、特定の鍵がなければ絶対に開かないようにすることも可能である。
在故事中的作用
トランクは物語全体を通じて、単なる道具以上の重要な役割を担っている。
- プロットデバイス:
- 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、ドビーがハリーのホグワーツ行きを阻止しようとトランクに魔法をかけた結果、ダーズリー家で大騒動が起きた。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、ハリーがプリベット通り4番地を永遠に去る際に最後に荷物を詰めたのがトランクであり、一つの時代の終わりを象徴した。
舞台裏情報
- 映画版では、アラスター・ムーディのトランクの内部構造が視覚的に詳細に描かれ、その複雑さと不気味さが強調されている。
- 『ファンタスティック・ビースト』シリーズでは、ニュート・スキャマンダーのトランクが物語の中心的な役割を果たしており、単なる収納道具ではなく、魔法動物学者のフィールドワークの拠点であり、保護施設でもあるというユニークな設定が与えられている。(映画設定)