ハリー・ポッターの杖
基本情報
- タイプ: 魔法道具
- 製造者: ギャリック・オリバンダー
描述与外观
ハリー・ポッターの杖は、彼が11歳の時にダイアゴン横丁にあるオリバンダーの店で購入した、彼にとって初めての、そして唯一無二の杖です。その仕様は以下の通りです。
- 長さ (Length): 11インチ (約28cm)
- 材質 (Wood): ヒイラギ (Holly)
- 芯 (Core): 不死鳥の羽根 (Phoenix Feather)
- 柔軟性 (Flexibility): 「素晴らしくしなやか (nice and supple)」
この杖の芯に使われた羽根は、アルバス・ダンブルドアが飼っていた不死鳥のフォーカスから得られたものです。特筆すべきは、フォーカスが与えた尾羽根はもう1本しかなく、その羽根はヴォルデモート卿の杖の芯として使われていることです。このため、ハリーの杖とヴォルデモートの杖は「兄弟杖」という極めて稀な関係にあります。
魔法特性与用途
ハリーの杖は、その所有者との強い結びつきと、兄弟杖との関係性から、数多くのユニークな魔法特性を示しました。
- 兄弟杖の関係とプリオリ・インカンタテム: 同じ芯を持つ兄弟杖同士が戦うと、一方がもう一方の杖に、最近使った呪文を逆順に吐き出させる「プリオリ・インカンタテム (逆呪文効果)」が発生します。これは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』で、リトル・ハングルトンの墓場でハリーとヴォルデモート卿が直接対決した際に発生しました。この現象により、ヴォルデモートの杖から彼の犠牲者たちの「残像」が現れ、ハリーは窮地を脱しました。
- 所有者への忠誠心と自己防衛能力: この杖はハリーに対して非常に強い忠誠心を持っていました。『ハリー・ポッターと死の秘宝』において、ハリーがダーズリー家から移動する「7人のポッター作戦」の最中、ハリーが無意識の状態でも杖が自律的に行動し、ヴォルデモートに対して黄金の炎の呪文を放ち、ルシウス・マルフォイから借りていた杖を破壊しました。これは杖が所有者の命を守るために、極めて稀な魔法を発動した例です。
歴史
- 1995年: ヴォルデモート卿との決闘でプリオリ・インカンタテムを引き起こし、ハリーの命を救う。
- 1997年: 「7人のポッター作戦」中、所有者であるハリーを守るため自律的に魔法を発動する。
在故事中的作用
ハリー・ポッターの杖は単なる魔法の道具ではありません。それはハリーの魔法界におけるアイデンティティの象徴であり、物語の核心的なプロットデバイスとして機能しました。
- 運命の象徴: 杖がハリーを選んだこと、そしてそれが宿敵ヴォルデモートの杖と兄弟杖であったことは、二人の間の深く、逃れられない運命的な繋がりを象徴しています。
- 物語の謎を解く鍵: なぜヴォルデモートがハリーを殺せないのか、というシリーズ全体の大きな謎の答えは、この兄弟杖の関係性にありました。これにより、ヴォルデモートはハリーを殺害するためにニワトコの杖を追い求めることになります。
- ハリーの成長の証: 物語の最後に、ハリーが最強のニワトコの杖を手放し、自分の忠実なヒイラギの杖を修復して選んだことは、彼が絶対的な力を求めるのではなく、自分らしさと正しい道を重んじる成熟した魔法使いへと成長したことを示しています。
幕後信息
- 杖の木の象徴: ヒイラギ (Holly) は、ケルトの樹木暦において、ハリーの誕生月(7月)に対応する木の一つとされています。伝統的に、ヒイラギは保護、特に邪悪なものからの保護を象徴する木とされており、ハリーの役割と運命を暗示しています。(Pottermore)
- 映画版でのデザイン: 映画版では、ハリーの杖は原作のシンプルな記述とは異なり、樹皮のような質感を持つ、より自然で素朴なデザインとして描かれています。特に持ち手部分は、木の枝がそのまま使われたような独特の形状をしています。(映画設定)