バーニー・ウィーズリー

バーニー・ウィーズリー (Barny Weasley) は、ハリー・ポッターと死の秘宝において、ロン・ウィーズリーが一時的に使用した偽名です。これは、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの三人が人さらいに捕らえられた際、ロンが自身の正体を隠し、ウィーズリー家をヴォルデモート卿の報復から守るためにとっさに名乗った身分です。

第二次魔法戦争の激化に伴い、魔法省は死喰い人の支配下に置かれました。ロン・ウィーズリーは、純血の裏切り者として家族が危険に晒されることを避けるため、表向きには自宅である隠れ穴で、伝染性の高い魔法病「散らし呪い (Spattergroit)」を重篤に患っていることになっていました。この偽装工作の一環として、ウィーズリー家の屋根裏部屋に住むグールが、ロンのパジャマを着せられ、病気のロンに見えるように魔法をかけられていました。 分霊箱を破壊する旅の途中、三人はフェンリル・グレイバックが率いる人さらいの一団に捕縛されてしまいます。正体が露見すれば即座にヴォルデモート卿のもとへ突き出される絶体絶命の状況で、ハリーは「バーノン・ダドリー」、ハーマイオニーは呪文で顔を変えられていたため誰か判別できない状態でした。その際、ロンは自身の赤毛を説明するために、ウィーズリー家の遠い親戚である「バーニー・ウィーズリー」と名乗りました。 この偽名は、一行がマルフォイの館へ連行された後も一時的に通用しました。ベラトリックス・レストレンジは主にハーマイオニーが持っていたグリフィンドールの剣に気を取られていたため、バーニーの正体について深く追及しませんでした。この偽装は、ドビーの助けによって彼らが地下牢から脱出するまでの貴重な時間を稼ぐ上で重要な役割を果たしました。

• 外貌: 外見は変装していないロン・ウィーズリーそのものであり、背が高く痩せ型、そばかすの散った顔にウィーズリー家特有の赤毛をしています。人さらいはウィーズリー家の子供たちの顔を正確には知らなかったため、この外見で遠縁の親戚という主張が通りました。
• 性格: 「バーニー」という人格は存在せず、あくまでロンがその場で作り上げた役割に過ぎません。しかし、極度の緊張状態の中で、家族を守るために冷静に偽の身分を考え出し、敵を欺こうとした点に、ロンの機転と成長した精神的な強さが表れています。

「バーニー・ウィーズリー」は、ウィーズリー家の遠い親戚であると自称しました。これは、特徴的な赤毛の理由を説明しつつも、不死鳥の騎士団の主要メンバーであるアーサー・ウィーズリーの息子ではないと主張することで、マルフォイの館にいる死喰い人からの直接的な追及をかわすための、計算された設定でした。

• 映画版『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、この「バーニー・ウィーズリー」という偽名は登場しません。映画の脚本では、人さらいがロンの正体を即座に見破る展開に変更されています。（映画設定）