占い
概要
占いは、魔法の一分野であり、未来の出来事を予見するための技術や方法論の総称である。しかし、魔法界においては「極めて不正確な魔法分野」の一つと見なされており、その信頼性については多くの魔法使いや魔女が懐疑的である。真に未来を見通す力、すなわち「内なる眼」を持つ予言者 (Seer) は極めて稀な存在とされる。
占いの種類と方法
ホグワーツ魔法魔術学校の授業や作中で言及される占いの方法には、以下のようなものがある。
- 茶葉占い (Tasseomancy): カップの底に残った茶葉が作る形で未来を読み解く。シビル・トレローニーが3年生の最初の授業で教え、ハリー・ポッターのカップには死の前兆とされる不吉な犬「死の犬 (The Grim)」が現れた。
- 水晶占い (Crystal Gazing): 水晶玉を覗き込み、そこに映るイメージやビジョンから未来を読み取る。
- 手相占い (Palmistry): 手のひらに刻まれた線を分析し、個人の運命や性格を読み解く。
- カード占い (Cartomancy): タロットカードのような特別なカードを用いて、未来の出来事や運勢を占う。
- 占星術 (Astrology): 惑星や星座の配置、動きを分析して未来を予測する。ケンタウロスたちはこの方法を重視しているが、彼らの解釈は人間が行うものとは異なり、より厳粛で宿命論的である。
- 夢占い (Dream Interpretation): 授業の課題として夢日記をつけさせ、見た夢が象徴する未来の出来事を分析する。
- 火占い (Pyromancy): 炎の形や動きから吉凶の兆候を読み取る。O.W.L.試験の科目にも含まれている。
ホグワーツでの教育
占いはホグワーツ魔法魔術学校において3年生からの選択科目である。
- 担当教授: 主な担当者はシビル・トレローニーである。彼女がドローレス・アンブリッジによって一時的に解雇された際は、ケンタウロスのフィレンツェが後任となった。ヴォルデモート卿の敗北後、トレローニー教授とフィレンツェは共同で教鞭を執った。
信頼性と論争
その曖昧で不正確な性質から、占いは多くの登場人物によって軽視されている。
- ミネルバ・マクゴナガルは、占いを「魔法の中でも最も不正確な分野の一つ」と公言して嫌っている。
- ハーマイオニー・グレンジャーは、その非論理的な性質を徹底的に批判し、「当て推量ばかり」の科目であるとして3年生の途中で履修を放棄した。
- ケンタウロスたちは、人間が行う日々の吉凶を占うような占いを「人間の愚かな遊び」と見下している。彼らにとって占星術は、避けられない悲劇を読み解くための神聖な営みである。
著名な予言と占い師
- シビル・トレローニー (Sybill Trelawney): 普段の占いはほとんど当たらないが、無意識のトランス状態で物語の根幹を揺るがす二つの本物の予言を行った。
幕後情報
- 映画版『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』では、占いの教室がより劇場的でボヘミアンな雰囲気のデザインで描かれている。(映画設定)