タロットカード
基本情報
- タイプ (Type): 占い学の道具
- 所有者 (Owners): 占い師、特にシビル・トレローニー
- 製作者 (Maker): 不明
解説と外観
タロットカードは、魔法界で未来を予見するために用いられる占い学の道具の一つです。一組の絵札から構成され、占い師はカードをシャッフルして引き、その絵柄や配置を解釈することで未来の出来事を読み解きます。 作中で主に登場するのは、シビル・トレローニー教授が所有するカードです。彼女のカードは「脂っこく汚れた」 (greasy-looking and dirty) と描写されており、長年使い込まれている様子がうかがえます。カードには「吊られた男」や「稲妻に打たれた塔」といった象徴的な絵が描かれています。
魔法的な特性と用途
タロットカードの主な用途は、カード占術(カルトマンシー)による未来予知です。使用者の「内なる目」の能力によって、カードが示す象徴的な意味を解読します。 占いの結果は非常に象徴的であり、解釈は占い師の資質に大きく左右されます。シビル・トレローニーの解釈はしばしば劇的で破滅的なものが多いですが、彼女が本物の予言の才能を持っているため、その占いは無意識のうちに真実を突くことがあります。例えば、「稲妻に打たれた塔」のカードは、後にアルバス・ダンブルドアが天文学の塔で死を迎えるという出来事を正確に予見していました。
歴史
作中ではタロットカードの起源や具体的な歴史については詳しく語られていません。しかし、占い学の授業で教材として使われていることから、魔法界においては伝統的で広く認知された占術方法の一つであることが示唆されます。
物語における役割
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人: ハリー・ポッターが占い学の授業で初めてタロットカードに触れます。シビル・トレローニーはハリーのために占いを行い、「不幸」や「災難」を予言し、ハリーが死の予兆である「グリム」に取り憑かれているという彼女の思い込みを強めました。
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: ドローレス・アンブリッジによる視察中、極度の緊張状態にあったトレローニー教授が、落ち着きを取り戻そうとするかのように脂っこいカードの束を握りしめている姿が描かれています。
- ハリー・ポッターと謎のプリンス: 物語のクライマックスを予見する重要な役割を担います。トレローニー教授は何度も「稲妻に打たれた塔」のカードを引き、それをアルバス・ダンブルドアへの警告と解釈します。彼女自身はその意味を完全には理解していませんでしたが、これはダンブルドアがセブルス・スネイプによって天文学の塔で殺害される運命を明確に示唆する強力な伏線となっていました。
舞台裏情報
- 現実のタロット占いにおいて、「塔」のカードは一般的に「突然の破壊的な変化」「既存の構造の崩壊」「衝撃的な出来事」などを象徴します。これは、物語におけるアルバス・ダンブルドアの死と、ホグワーツ魔法魔術学校という安全な場所が脅かされるという展開と見事に符合しています。