タロットカード

タロットカードは、魔法界で未来を予見するために用いられる占い学の道具の一つです。一組の絵札から構成され、占い師はカードをシャッフルして引き、その絵柄や配置を解釈することで未来の出来事を読み解きます。 作中で主に登場するのは、シビル・トレローニー教授が所有するカードです。彼女のカードは「脂っこく汚れた」 (greasy-looking and dirty) と描写されており、長年使い込まれている様子がうかがえます。カードには「吊られた男」や「稲妻に打たれた塔」といった象徴的な絵が描かれています。

タロットカードの主な用途は、カード占術(カルトマンシー)による未来予知です。使用者の「内なる目」の能力によって、カードが示す象徴的な意味を解読します。 占いの結果は非常に象徴的であり、解釈は占い師の資質に大きく左右されます。シビル・トレローニーの解釈はしばしば劇的で破滅的なものが多いですが、彼女が本物の予言の才能を持っているため、その占いは無意識のうちに真実を突くことがあります。例えば、「稲妻に打たれた塔」のカードは、後にアルバス・ダンブルドア天文学の塔で死を迎えるという出来事を正確に予見していました。

作中ではタロットカードの起源や具体的な歴史については詳しく語られていません。しかし、占い学の授業で教材として使われていることから、魔法界においては伝統的で広く認知された占術方法の一つであることが示唆されます。

  • 作中に登場するカード、「稲妻に打たれた塔」 (The Lightning-Struck Tower) と「吊られた男」 (The Hanged Man) は、現実世界のタロットカードの大アルカナに存在する同名のカードに由来します。
  • 現実のタロット占いにおいて、「塔」のカードは一般的に「突然の破壊的な変化」「既存の構造の崩壊」「衝撃的な出来事」などを象徴します。これは、物語におけるアルバス・ダンブルドアの死と、ホグワーツ魔法魔術学校という安全な場所が脅かされるという展開と見事に符合しています。