トロフィー (Trophy)
基本情報
- タイプ: 賞、記念品
- 所有者: 受賞者個人、ホグワーツ魔法魔術学校など
- 製造者: ほとんどの場合不明
記述と外観
トロフィーは、学業、クィディッチ、あるいは学校への特別な貢献など、優れた功績を称えるために授与される記念品です。その形態は多岐にわたり、金や銀、しろめ(ピューター)で作られた優勝杯、盾、飾り額、メダル、小さな像などがあります。 ホグワーツ魔法魔術学校にはトロフィー室と呼ばれる専用の部屋があり、過去の生徒たちが獲得した無数のトロフィーが水晶の陳列ケースに保管されています。これらのトロフィーには、受賞者の名前、功績、授与された年が刻まれており、学校の輝かしい歴史の記録となっています。部屋は常に磨き上げられた金属の輝きで満ちています。
魔法特性と用途
ほとんどのトロフィーは、その功績を永続的に記念するための、魔法的な特性を持たない通常の物体です。その主な用途は、達成された偉業を称え、後世の学生たちの模範や目標として示すことです。 しかし、トロフィーも他の物体と同様に、強力な魔法をかけられることがあります。その最も著名な例は、1994年の三大魔法学校対抗試合で使用された優勝杯です。この杯はバーテミウス・クラウチ・ジュニアによって不正にポートキー (移動キー) に変えられ、触れた者をヴォルデモート卿が待つ墓地へと転送する罠として機能しました。この事例は、トロフィーがいかに危険な魔法道具になりうるかを示しています。
物語における役割
トロフィーは物語の随所で、過去を解き明かす鍵や重要なプロット装置として機能します。
- 父親の面影: ハリー・ポッターは1年生の時、トロフィー室で父親であるジェームズ・ポッターがクィディッチのシーカーとして活躍し、表彰されたことを示す飾り額を発見します。これはハリーが父親の学生時代を知る最初のきっかけの一つとなりました。
- トム・リドルの過去: 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』において、罰則でトロフィー室の清掃をしていたハリーは、50年前にトム・マールヴォロ・リドルへ贈られた「学校への特別功労賞」のトロフィーを見つけます。同じ事件でルビウス・ハグリッドが退学処分になったにもかかわらず、リドルが表彰されていたという事実は、ハリーに秘密の部屋事件の真相を探る強い動機を与えました。
- 勝利の象徴: クィディッチ杯や寮杯は、学生たちにとって努力とチームワークの象徴です。特に『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でグリフィンドール寮が長年ぶりにクィディッチ杯を勝ち取った場面は、寮全体の大きな喜びとなりました。
- 致命的な罠: 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、物語のクライマックス全体が三大魔法学校対抗試合の優勝杯を中心に展開します。このトロフィーは単なる賞品ではなく、ヴォルデモート復活の儀式を完遂させるための重要な道具として利用され、セドリック・ディゴリーの死に直結しました。
幕後情報
- 映画版では、トロフィー室が非常に豪華かつ大規模に描かれており、無数のカップや盾が所狭しと並べられ、ホグワーツの長い歴史を視覚的に強調しています。(映画設定)