学校への特別功労賞

学校への特別功労賞

学校への特別功労賞は、ホグワーツ魔法魔術学校の生徒に与えられる非常に名誉ある賞です。その物理的な形態は、美しく磨き上げられた大きな金の盾、あるいはトロフィーとして授与されます。 盾の中央にはホグワーツの紋章が刻まれており、その下には受賞者の名前と、受賞理由となった功績が記されています。この賞はトロフィー室に他の賞と共に飾られ、受賞者の栄誉を永続的に称えます。

この賞自体に、特定の能動的な魔法の力が備わっているという記述は原作にはありません。その主な機能は、学校に対して並外れた貢献をした生徒の功績を公式に認め、その名誉を称えることにあります。 この賞は極めて稀にしか授与されないため、受賞はホグワーツの歴史において特筆すべき出来事と見なされます。

この賞の歴史において、物語上重要な受賞例が二つあります。

  1. トム・マールヴォロ・リドルの受賞

約50年前、当時5年生だったトム・マールヴォロ・リドル (若き日のヴォルデモート卿) がこの賞を受賞しました。表向きの理由は、彼が秘密の部屋を開いたとされるルビウス・ハグリッドと、そのペットであるアクロマンチュラアラゴグを告発し、マグル生まれの生徒への襲撃を終わらせたという功績によるものでした。しかし、これはリドルが巧妙に仕組んだ嘘であり、真のスリザリンの継承者は彼自身でした。この受賞は、彼の欺瞞に満ちた学生時代の象徴となります。

  1. ハリー・ポッターとロン・ウィーズリーの受賞

ハリー・ポッターの2年目に、彼とロン・ウィーズリー秘密の部屋の謎を解き明かし、内部に潜んでいたバジリスクを倒し、トム・リドルの日記を破壊しました。この功績により、アルバス・ダンブルドア校長は二人に対して学校への特別功労賞を授与しました。この出来事は、50年前にルビウス・ハグリッドに着せられた汚名をそそぐとともに、ハリーとロンの真の勇気を証明するものとなりました。

  • 秘密の部屋の謎を解く鍵: ハリー・ポッタートロフィー室トム・マールヴォロ・リドルのトロフィーを発見したことが、50年前の事件を調査するきっかけとなりました。この賞は、過去と現在を結びつける重要なプロットデバイスとして機能します。
  • 英雄像の対比: リドルの偽りの功績による受賞と、ハリーとロンの真の英雄的行為による受賞が鮮やかな対比をなしており、物語のテーマである「見かけと真実」を強調しています。
  • 正義の証明: ハリーとロンへの授与は、長年不当な扱いを受けてきたルビウス・ハグリッドの名誉を回復し、学校としての正義を示す象徴的な行為でした。また、常に兄たちやハリーの陰に隠れがちだったロン・ウィーズリーにとって、これは彼の勇気と貢献が公式に認められた重要な瞬間でした。
  • 映画版『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、トロフィー室のシーンでリドルの受賞トロフィーが視覚的に表現されており、ハリーがそれを見て過去の事件に思いを巡らせる重要な場面となっています。(映画設定)