ハープ
基本情報
- タイプ (Type): 魔法道具、楽器
- 所有者 (Owners): クィリナス・クィレル、ハリー・ポッター(使用者として)
- 製作者 (Maker): 不明
記述と外観
『ハリー・ポッターと賢者の石』に登場する魔法のハープは、木製で、外観に関する詳細な記述は特にありません。最も顕著な特徴は、触れる者がいなくても独りでに音楽を奏で続けるよう、魔法がかけられている点です。
魔法特性と用途
このハープの唯一にして最も重要な魔法特性は、その音楽にあります。奏でられる優しいメロディーは、特定の生物を深い眠りに誘う強力な催眠効果を持ちます。
- 制約: 音楽が止まると、フラッフィーは即座に目を覚まし、非常に攻撃的になります。このため、効果を維持するには演奏を続ける必要があります。
歴史
このハープは、1991年から1992年の学校年度において、アルバス・ダンブルドアが賢者の石を保護するために設置した一連の防衛策の一つとして、ホグワーツ城の立ち入り禁止の3階の廊下に置かれました。 ヴォルデモート卿に仕えるクィリナス・クィレル教授は、賢者の石を盗み出すため、このハープを用いてフラッフィーを眠らせ、仕掛け扉を通過しました。彼はハープが演奏を続けるように魔法をかけてその場を後にしました。 その後、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーが仕掛け扉にたどり着いたとき、ハープはまだ演奏していましたが、彼らが扉の下へ飛び込む直前に音楽が止まり、危機的な状況を招きました。幸い、ハリーがルビウス・ハグリッドから贈られた笛を吹くことで、再びフラッフィーを眠らせることに成功しました。
物語における役割
このハープは、『ハリー・ポッターと賢者の石』のクライマックスに向けた最初の障害を突破するための鍵となるアイテムです。その存在は、ハリーたちが挑戦する前に誰か(クィレル)がすでに防衛を突破したことを示す重要な手がかりとなりました。また、ハープの音楽が突然止まる場面は物語に強い緊迫感を生み出し、ハリーの機転と勇気を試すきっかけとなっています。
舞台裏情報
- 神話との関連: 三頭の番犬を楽器の音色で眠らせるというモチーフは、ギリシャ神話において英雄オルフェウスが竪琴(ライアー)を奏でて冥界の番犬ケルベロスを眠らせたエピソードと酷似しています。J.K. ローリングが古典神話から多くの着想を得ていることを示す一例と考えられます。
- 映画版: 映画『ハリー・ポッターと賢者の石』では、このハープは原作通りに魔法で自動演奏される様子が視覚的に表現されています。(映画設定)