稲妻に打たれた塔

稲妻に打たれた塔 (The Lightning-Struck Tower) は、天文台の塔が特定の歴史的瞬間に果たした役割を象徴する呼び名です。この名称は、小説『ハリー・ポッターと謎のプリンス』第27章の章題そのものであり、アルバス・ダンブルドアが殺害された悲劇的な夜の出来事を指しています。 1997年6月、分霊箱を探す旅からホグワーツに戻ったアルバス・ダンブルドアハリー・ポッターは、城の上に闇の印が浮かんでいるのを発見します。彼らは箒で天文台の塔の最上階に着陸しますが、弱っていたダンブルドアハリーセブルス・スネイプを呼んでくるよう命じます。しかし、その直後にドラコ・マルフォイが塔に現れ、ダンブルドアを武装解除しました。これにより、ダンブルドアが所持していたニワトコの杖の忠誠心は、知らず知らずのうちにドラコへと移りました。 ダンブルドアは、塔に到着する直前にハリー全身金縛り術 (Petrificus Totalus) で動けなくし、透明マントの下に隠していました。そのため、ハリーは一連の出来事を目撃しながらも、介入することができませんでした。 その後、アレクト・カローアミカス・カローフェンリール・グレイバック、そしてもう一人の死喰い人が塔に到着し、ドラコダンブルドアを殺害するよう迫ります。しかしドラコがためらっていると、セブルス・スネイプが現れました。ダンブルドアが懇願するかのような視線をスネイプに向けた後、スネイプアバダ・ケダブラの呪文を唱え、ダンブルドアを殺害しました。ダンブルドアの体は緑の閃光に打たれ、塔の胸壁を越えて闇の中へと落下していきました。

この出来事は、物語全体における極めて重要な転換点です。

この出来事の中心舞台は天文台の塔の最上階にある、胸壁に囲まれた回廊です。当時、塔の下の階や城の廊下では、死喰い人不死鳥の騎士団およびダンブルドア軍団のメンバーとの間で激しい戦闘が繰り広げられていました。