ポモーナ・スプラウト

ポモーナ・スプラウトは、ホグワーツ魔法魔術学校の薬草学の教授であり、ハッフルパフ寮の監督生です。彼女は温かく公正な人柄で知られていますが、ヴォルデモート卿と死喰い人との戦いにおいては、断固とした勇敢さを示しました。特に、秘密の部屋の事件でバジリスクによって石にされた生徒たちを治療するためのマンドラゴラを育成したことや、第二次魔法戦争の最終決戦であるホグワーツの戦いで、魔法植物を武器として駆使し学校を防衛したことで重要な役割を果たしました。

スプラウト教授のホグワーツ就任以前の経歴については、原作ではほとんど語られていません。彼女は長年にわたり薬草学の教授職を務めており、ジェームズ・ポッターやその友人たちが学生だった時代にも教鞭を執っていました。 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、彼女の専門知識が物語の核心的な役割を担います。バジリスクによって石化させられた生徒たちを元に戻す唯一の治療薬の材料として、成熟したマンドラゴラの育成に尽力しました。 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、魔法省から派遣されたドローレス・アンブリッジの高圧的な支配に反対する教員の一人でした。彼女はハリー・ポッターがアンブリッジに逆らった際に、じょうろを渡してくれたという些細な行為に対してグリフィンドールに20点を与えるなど、ささやかな抵抗を示しました。 『ハリー・ポッターと死の秘宝』におけるホグワーツの戦いでは、彼女は学校の防衛に積極的に参加しました。ネビル・ロングボトムや他の生徒たちと共に、温室から悪魔の罠やマンドラゴラといった危険な植物を運び出し、迫りくる死喰い人の軍勢に対する武器として使用しました。

スプラウト教授は、ずんぐりとした小柄な魔女で、風になびく白髪が特徴です。彼女はつぎはぎだらけの帽子をかぶり、その衣服や爪の間には、温室での作業による土がいつも付着しています。 性格は陽気で、生徒に対しては公平かつ親身に接します。特にハッフルパフの生徒たちには深い愛情を注いでいました。しかし、不正や脅威に対しては非常に毅然とした態度を取り、友人や学校を守るためには危険を顧みない強い意志と勇気を持っています。

• 薬草学の専門知識: スプラウト教授は、魔法植物学の分野における当代随一のエキスパートです。彼女はマンドラゴラのような極めて危険な植物の育成・管理に精通しており、その知識はホグワーツにとって不可欠なものでした。
• 決闘能力: ホグワーツの戦いを生き延びたことから、彼女が有能な決闘者であることが示唆されます。彼女は魔法植物を攻撃的に使用する独自の戦闘スタイルを駆使しました。

• 杖 (Wand): 彼女の杖の材質、芯、長さなどの具体的な情報は原作には記載されていません。

• 同僚: ミネルバ・マクゴナガルやフィリウス・フリットウィックといった他の寮監とは良好な協力関係を築いており、特に学校の危機に際しては固い結束を見せました。彼女はアルバス・ダンブルドアに深い忠誠心を抱いていました。セブルス・スネイプが校長に就任した際には、彼に公然と反対しました。
• 生徒: ハッフルパフ寮の監督生として、セドリック・ディゴリーのような自寮の生徒を誇りに思っていました。また、薬草学に並外れた才能を示したグリフィンドール生のネビル・ロングボトムを高く評価し、彼の才能を認め、励ましていました。

• ポモーナ (Pomona): ローマ神話に登場する、果樹や果樹園、庭園を司る女神の名前です。これは薬草学の教授にとって非常にふさわしい名前です。
• スプラウト (Sprout): 英語で「芽」や「芽吹く」を意味する単語であり、彼女の専門分野と直接的に関連しています。

• 映画: 映画版『ハリー・ポッター』シリーズでは、女優のミリアム・マーゴリーズがポモーナ・スプラウトを演じました。
• その他: 公式サイト「Pottermore」によると、彼女の誕生日は5月15日です。（Pottermore）