アモルテンシア
基本情報
- タイプ (Type): 惚れ薬
- 製造者 (Maker): 不明
記述と外見
アモルテンシアは、特徴的な真珠母のような光沢 (mother-of-pearl sheen) を持つ液体です。また、その蒸気は飲む者や嗅ぐ者にとって魅力的な香りを放ちながら、独特の螺旋状に立ち上ります。これは、ホラス・スラグホーンが上級魔法薬学の授業で生徒たちに示した際に描写されました。
魔法特性と用途
アモルテンシアは、現存する中で最も強力な惚れ薬です。しかし、この魔法薬が作り出すのは真実の愛ではありません。ホラス・スラグホーンが説明したように、真実の愛を製造したり模倣したりすることは不可能です。この薬は、飲んだ者に対して薬を盛った人物への強力な熱狂や執着心を引き起こします。 その効果は永続的ではなく、効果を持続させるためには定期的に相手に飲ませ続ける必要があります。アモルテンシアには解毒薬が存在します。 この魔法薬の最も特異な性質は、その香りです。それは嗅ぐ者一人ひとりにとって異なる、その人が最も惹かれるものの香りがします。
- ハリー・ポッターが嗅いだ香り:
- ほうきの柄の木の匂い
- 隠れ穴で嗅いだことのある、花のようないい匂い (後にジニー・ウィーズリーに関連するものと示唆される)
- ハーマイオニー・グレンジャーが嗅いだ香り:
- 刈りたての草の匂い
- 新しい羊皮紙の匂い
- (彼女が明言を避けた3つ目の香り。後にロン・ウィーズリーに関連するものと示唆される)
歴史
この魔法薬の起源は不明ですが、物語における最も重要な使用例は、ヴォルデモート卿の母親であるメローピー・ゴーントによるものです。彼女はアモルテンシアを使い、マグルのトム・リドル・シニアを魅了し、結婚しました。 アルバス・ダンブルドアは、ヴォルデモート卿がこのような欺瞞に満ちた関係から生まれたことが、彼が愛を理解できず、感じることもできない一因であると推測しています。
物語における役割
アモルテンシアは、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で初めて登場します。ホラス・スラグホーン教授が上級魔法薬学の授業で生徒たちに見せ、その強力な効果と危険性について警告しました。 物語の後半では、ロミルダ・ベインがハリー・ポッターを自分に惚れさせるためにアモルテンシアを仕込んだ大鍋チョコレートを贈ります。しかし、そのチョコレートを偶然食べたのはロン・ウィーズリーでした。ロンはロミルダに異常な執着を見せ、ハリーは彼をスラグホーン教授の元へ連れて行き、解毒薬を飲ませることになります。この出来事は、間接的にロンが毒入り蜂蜜酒を飲む事件へと繋がりました。
幕後情報
「アモルテンシア (Amortentia)」という名前は、ラテン語に由来すると考えられます。ラテン語の「Amor」は「愛」を意味し、「tentia」は「持つ」「誘惑する」といった意味合いを持つ単語に関連しており、その効果を的確に表現しています。