ガレオン
基本情報
- タイプ: 魔法通貨
- 所有者: イギリスの魔法界
- 製造者: ゴブリン (グリンゴッツ魔法銀行により発行)
説明と外観
ガレオン (Galleon) は、イギリスの魔法界で流通している3種類の硬貨のうち、最も価値が高い金貨です。しばしばガレオン金貨とも呼ばれます。 外観は大きく、輝く黄金色をしています。硬貨の縁に沿って、それを鋳造したゴブリンを識別するための連続したシリアルナンバーが刻まれています。この番号は、硬貨の信頼性を保証し、偽造を防ぐ役割を担っていると考えられます。
魔法の特性と用途
ガレオンの主な用途は、イギリス魔法界における最高額面の通貨単位としての機能です。その価値は他の硬貨と厳密に定められています。
単なる金属片ではなく、ガレオンには魔法的な特性が付与されています。
- 変幻自在術 (Protean Charm): ハーマイオニー・グレンジャーはダンブルドア軍団のメンバー間の秘密の連絡手段として、偽のガレオン金貨にこの呪文をかけました。本物のガレオンの縁に刻まれたシリアルナンバーを模倣し、その数字が次の会合の日時に自動的に変化するように細工しました。これにより、ドローレス・アンブリッジの監視を逃れて安全に情報を伝達することができました。
- 双子の呪い (Geminio Curse) と灼熱の呪い (Flagrante Curse): ベラトリックス・レストレンジがグリンゴッツ魔法銀行に所有していた金庫では、中に保管されていた宝物(分霊箱であるハッフルパフのカップを含む)を守るため、ガレオン金貨にこれらの強力な呪いがかけられていました。侵入者が金貨に触れると、それは際限なく分裂・増殖し、同時に触れた者を焼くほどの高熱を帯びるようになっていました。
なお、レプラコーンが作り出す金貨は数時間で消えてしまいますが、ゴブリンが鋳造した本物のガレオンは永続的な価値を持ちます。
歴史
ガレオンの正確な起源は不明ですが、何世紀にもわたってイギリス魔法界の経済基盤として機能してきました。その鋳造と管理は、金属加工と金融において卓越した技術を持つ種族であるゴブリンによって、グリンゴッツ魔法銀行を通じて独占的に行われています。
物語における役割
ガレオンは物語全体を通して、富の象徴や重要なプロットデバイスとして何度も登場します。
- ハリー・ポッターの遺産: 11歳のハリーが初めてグリンゴッツ魔法銀行を訪れ、両親が遺した金庫に山積みされたガレオン金貨を目にしたことは、彼が魔法界の一員であり、もはやダーズリー家に経済的に依存する必要がないことを象徴する重要な場面でした。
- 三大魔法学校対抗試合の賞金: ハリーが獲得した優勝賞金1,000ガレオンは、フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーに渡され、彼らが夢であった悪戯専門店ウィーズリー・ウィザード・ウィーズを開業するための資金となりました。
舞台裏情報
- J.K. ローリングはインタビューで、1ガレオンの価値は執筆当時でおおよそ5イギリス・ポンドに相当すると述べたことがありますが、これはあくまで目安であり、為替レートは変動する可能性があるとも付け加えています。(著者インタビュー)
- 映画シリーズに登場するガレオン金貨は、撮影用に独自のデザインが施されており、必ずしも小説で描写された「ゴブリンのシリアルナンバーが縁に刻まれている」という設定とは一致していません。(映画設定)