クルップ

  • 種族 (Species): 魔法生物
  • 魔法省分類 (Ministry of Magic Classification): XXX(腕の立つ魔法使いなら対処可能)(『幻の動物とその生息地』)
  • 原産地 (Native to): イギリス
  • 特徴 (Key Features): 猫に似た外見、高い知能、不審な人物を嗅ぎ分ける能力

クルップは、イギリス原産の猫によく似た姿をした魔法生物です。その外見は一般的な猫と似ていますが、斑点やぶち模様、まだら模様の毛皮、不釣合いなほど大きな耳、そしてライオンを彷彿とさせる、先端にふさのついた尻尾といった明確な特徴を持っています。 非常に知能が高く、独立心が旺盛ですが、一度心を許した魔女や魔法使いには素晴らしい忠誠心を見せ、優れたペットとなり得ます。しかし、その特異な性質と外見からマグルに興味を持たれやすいため、飼育には魔法省の「幻の動物とその生息地」管理部から許可を得る必要があります。 クルップは、一般的な猫と交配することが可能です。一度に最大8匹の子を産むことができ、その子孫はクルップの高い知能や特徴的な能力の一部を受け継ぐことがあります。(『幻の動物とその生息地』)

クルップが持つ最も顕著な魔法的能力は、信用できない人物や不誠実な人物を瞬時に見抜くことです。彼らはそのような人物に対して強い不信感を抱き、シューッと威嚇音を立てたり、引っ掻こうとしたりといった敵対的な態度を示します。 また、もう一つの驚くべき能力として、飼い主が道に迷った際に、安全に家まで導くことができるという習性を持っています。この能力により、クルップは単なるペット以上の、頼れる相棒となりえます。

物語の中で最も有名かつ重要なクルップの血を引く存在は、ハーマイオニー・グレンジャーの飼い猫であるクルックシャンクスです。クルックシャンクスは、その押しつぶされたような顔立ち、並外れた知能、そしてライオンのような尻尾から、半分クルップであることが示唆されています。(J.K. ローリングのインタビューで明言) 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』において、クルックシャンクスはクルップの能力を遺憾なく発揮しました。彼は初対面からロン・ウィーズリーのペットのネズミ、スキャバーズの正体(動物もどきアニメーガス)のピーター・ペティグリュー)を、そして犬の姿をしたシリウス・ブラックが脅威ではないことを即座に見抜きました。クルックシャンクスシリウス・ブラックを助け、叫びの屋敷でピーター・ペティグリューの正体を暴く上で、極めて重要な役割を果たしました。彼の行動がなければ、シリウス・ブラックの無実が証明される機会は失われていたかもしれません。

英語名の Kneazle の語源は明確ではありませんが、猫がリラックスしている時に前足でふみふみする行動を指す “knead”(こねる)と、ずる賢いイメージのある “weasel”(イタチ)を組み合わせた造語である可能性が考えられます。

  • クルップに関する詳細な生態や魔法省による分類は、主に副読本である『幻の動物とその生息地』に記載されています。
  • 映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、ニュート・スキャマンダーの家の地下室に、数匹のクルップの子猫が登場し、彼の世話を受けている様子が描かれています。(映画設定)