ディゴリー家
概要
ディゴリー家は、魔法界における古い歴史を持つ魔法族の家系の一つです。物語の中では、その公正さと良識、そして第二次魔法戦争の勃発に深く関わる悲劇的な出来事によって知られています。一家はウィーズリー家やラブグッド家と同じく、デヴォン州のオッタリー・セント・キャッチポール村の近くに住んでいます。
既知の構成員
- ディゴリー夫人 - エイモスの妻であり、セドリックの母親。原作では名前は明かされていません。心優しく、息子の死に深く打ちのめされます。
- セドリック・ディゴリー - エイモス夫妻の一人息子。ホグワーツ魔法魔術学校のハッフルパフ寮に所属し、監督生およびクィディッチのキャプテン兼シーカーを務めた優秀な生徒。三大魔法学校対抗試合のホグワーツ代表選手に選ばれましたが、ヴォルデモー卿の復活の際に殺害されました。
歴史と物語における役割
ディゴリー家が物語に初めて登場するのは、第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』です。一家は1994年のクィディッチ・ワールドカップを観戦するためにハリー・ポッターやウィーズリー家と合流します。この時、父のエイモスは息子のセドリックが前年のクィディッチの試合でハリーに勝利したことを誇らしげに語っています。 同年、セドリックは三大魔法学校対抗試合のホグワーツ代表選手に選ばれます。彼はハッフルパフの価値観である公正さを体現する人物であり、第一の課題でドラゴンが使われることをハリーから教えられた後、その返礼として第二の課題の鍵である金色の卵の謎を解くヒントをハリーに与えました。 物語のクライマックスで、セドリックはハリーと共に三大魔法学校対抗試合の優勝杯にたどり着きますが、それはポートキーであり、二人をリトル・ハングルトンの墓場へと転送させました。そこでセドリックはヴォルデモー卿の命令により、ピーター・ペティグリューのアバダ・ケダブラによって殺害されました。彼の死は、ヴォルデモー卿の復活を魔法界に知らしめる最初の、そして最も悲劇的な証拠となりました。 セドリックの死後、ディゴリー夫妻は深い悲しみに沈みました。エイモスは息子の死の真相を語るハリーを信じ、魔法省がヴォルデモー卿の復活を否定する中でも、ハリーとアルバス・ダンブルドアを公に支持しました。
家族の特徴
ディゴリー家は、魔法界において尊敬される古い家系です。セドリックの行動に代表されるように、この一家は特に公正さ、謙虚さ、そしてスポーツマンシップを重んじます。ハッフルパフ寮の特性を強く反映しており、生まれや血筋による差別意識を持たず、誰に対しても誠実に接します。エイモスは時に自慢げに見えることもありますが、根は善良で愛情深い人物です。
名前の由来
「ディゴリー (Diggory)」という姓は、C.S.ルイスの児童文学シリーズ『ナルニア国物語』の登場人物、ディゴリー・カーク (Digory Kirke) へのオマージュである可能性が指摘されています。ディゴリー・カークは、ナルニアの世界の創造に立ち会った重要な人物です。
舞台裏情報
- 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、エイモス・ディゴリーをジェフ・ラウルが、セドリック・ディゴリーをロバート・パティンソンが演じました。(映画設定)
- 舞台劇『ハリー・ポッターと呪いの子』では、年老いたエイモス・ディゴリーが中心的な役割を担います。彼は息子の死の悲しみから抜け出せず、タイムターナーを使ってセドリックを救おうとアルバス・ポッターとスコーピウス・マルフォイに依頼します。(舞台劇『ハリー・ポッターと呪いの子』)