デラクール家
概要
デラクール家は、フランス出身の由緒ある魔法族の家系です。一部にヴィーラの血を引いていることで知られ、その子孫はしばしば人間離れした美しさと魅力を持ちます。物語においては、主に長女のフラー・デラクールを通じてウィーズリー家や不死鳥の騎士団と深く関わり、第二次魔法戦争ではヴォルデモート卿に対する抵抗勢力として重要な役割を果たしました。
既知の構成員
- ムッシュ・デラクール (Monsieur Delacour): デラクール家の家長。フラーとガブリエルの父親。小柄で恰幅の良い、黒い先の尖った髭を持つ人物として描かれています。三大魔法学校対抗試合の第三の課題の際には、妻と共にホグワーツを訪れました。
- アポリーヌ・デラクール (Apolline Delacour): フラーとガブリエルの母親。金髪の美しい魔女で、娘たちと同様にヴィーラの血を引いていることが示唆されています。
- フラー・デラクール (Fleur Delacour): デラクール家の長女。ボーバトン魔法アカデミーの代表選手として三大魔法学校対抗試合に出場しました。後にビル・ウィーズリーと結婚し、ウィーズリー家の一員となります。非常に有能な魔女であり、その勇敢さと愛情深さで知られます。
- ガブリエル・デラクール (Gabrielle Delacour): デラクール家の次女で、フラーの妹。三大魔法学校対抗試合の第二の課題では、フラーにとっての「宝物」として黒い湖の底に捕らわれましたが、ハリー・ポッターによって救出されました。
家柄と背景
デラクール家はフランスの魔法界に属しています。その血筋に流れるヴィーラの力は、特に女性の構成員であるアポリーヌ、フラー、ガブリエルに強く現れており、彼女たちの人を惹きつける魅力の源となっています。家族の絆は非常に強く、特にフラーは妹のガブリエルに対して深い愛情を抱いています。 三大魔法学校対抗試合のために家族でイギリスを訪れたことから、彼らがある程度の社会的地位と経済力を持つことがうかがえます。
物語における役割
デラクール家が物語に大きく関わるのは、ハリー・ポッターと炎のゴブレットでフラー・デラクールが三大魔法学校対抗試合の選手に選ばれてからです。当初、彼らはフランスの魔法界の代表という立場でしたが、フラーがビル・ウィーズリーと恋に落ちたことで、イギリス魔法界、特に不死鳥の騎士団と密接な関係を築くことになります。 第二次魔法戦争が激化すると、デラクール家は明確に反ヴォルデモートの立場を取ります。フラーは不死鳥の騎士団の任務に参加し、家族もビルとフラーの結婚式を通じて騎士団のメンバーを支援しました。結婚後、夫妻が暮らす貝殻の家は、マルフォイの館から脱出したハリー・ポッター一行にとって重要な隠れ家となりました。
他の家族との関係
- ウィーズリー家との関係: フラーとビルの結婚により、デラクール家とウィーズリー家は姻戚関係となりました。当初、モリー・ウィーズリーとジニー・ウィーズリーはフラーを好ましく思っていませんでしたが、ビルがフェンリール・グレイバックに襲われた後も変わらぬフラーの深い愛情を知り、彼女を家族として受け入れました。
- ハリー・ポッターとの関係: デラクール家はハリー・ポッターに深い感謝の念を抱いています。これは、ハリーが三大魔法学校対抗試合の第二の課題で、自身の危険を顧みずにフラーの妹ガブリエルを救おうとした行動によるものです。この出来事以降、フラーはハリーに対して常に敬意と好意を持って接するようになりました。
名前の由来
「Delacour」はフランス語の “de la cour” に由来し、「宮廷の」や「法廷の」といった意味を持ちます。これは、デラクール家が洗練され、高貴な家柄であることを示唆しています。
舞台裏
- J.K. ローリングは、物語の完結後にビルとフラーには3人の子供、ビクトワール・ウィーズリー、ドミニク・ウィーズリー、ルイ・ウィーズリーが生まれたことを明かしています。(Pottermore)