ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式
概要
ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式は、1997年8月1日に陋屋 (The Burrow) で執り行われた結婚式典および披露宴である。『ハリー・ポッターと死の秘宝』において、第二次魔法戦争が激化する直前の、登場人物たちにとって最後の平穏な時間として描かれている。しかし、この式典の最中に魔法省が陥落し、死喰い人の襲撃を受けたことで中断され、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの三人が分霊箱を探す旅に出る直接の引き金となった。
基本情報
- 日時: 1997年8月1日(ハリー・ポッターの17歳の誕生日)
- 場所: 陋屋の庭に魔法で設置された、金色の風船で飾られた白い巨大なテント
- 新郎: ビル・ウィーズリー
- 新婦: フラー・デラクール
- 付添人 (Best Man): チャーリー・ウィーズリー
- 花嫁介添人 (Bridesmaids): ガブリエル・デラクール、ジニー・ウィーズリー
- 主な参列者:
- デラクール家
- ミュリエル大おば
式典と披露宴の様子
式典は、魔法省から来た役人の司式により、和やかな雰囲気の中で行われた。ハリーはヴォルデモート卿とその支持者たちから身を隠すため、ポリジュース薬で変身して参列した。 披露宴では、多くの客がダンスや食事を楽しんだ。この最中、物語の重要な伏線がいくつか提示されている。
- ダンブルドアの過去: ハリーはエルファイアス・ドージと、ウィーズリー家の大おばであるミュリエルとの会話を通じて、リータ・スキーターが出版した暴露本『アルバス・ダンブルドアの真っ白な人生と真っ赤な嘘』の内容を断片的に知る。これにより、ハリーのアルバス・ダンブルドアに対する絶対的な信頼が初めて揺らぐことになる。
- 死の秘宝のシンボル: ビクトール・クラムが、ゼノフィリウス・ラブグッドが首から下げていた奇妙なシンボルに不快感を示す。クラムはそのシンボルを、闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドの印だと信じていた。これが、ハリーが物語の核心となる死の秘宝のシンボルをはっきりと認識した最初の瞬間である。
死喰い人の襲撃
披露宴の最中、キングズリー・シャックルボルトが放ったヤマネコの姿の守護霊が会場に現れ、「魔法省は陥落した。スクリムジョールは死んだ。奴らが来る」という警告を伝えた。直後、陋屋を護っていた防御呪文が破られ、死喰い人たちが姿現しで襲撃してきた。 この襲撃により、結婚式は混乱のうちに中断。ゲストたちはパニック状態で逃げ惑い、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人は姿くらましでロンドンのトテナム・コート・ロードへと逃亡した。この出来事をもって、彼らの身を隠しながら分霊箱を破壊する旅が始まった。
物語における重要性
幕後情報
- 映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』では、この結婚式の場面が詳細に描かれている。原作の雰囲気を再現しつつ、死喰い人たちがテントを破壊しながら襲撃する様子が視覚的に迫力あるシーンとして表現された。(映画設定)