トネリコ
基本情報
- タイプ (Type): 魔杖の木材
- 著名な所有者 (Notable Owners): セドリック・ディゴリー, ロン・ウィーズリー
- 製造者 (Maker): ギャリック・オリバンダーのような杖職人によって使用される
説明と外観
トネリコは、杖の材料として使用される木材の一種です。淡い色合いで木目がまっすぐな、美しい木材として知られています(Pottermore)。その魔法的な性質は非常に特徴的であり、持ち主を厳しく選びます。
魔法特性と用途
トネリコの木で作られた魔杖は、その真の持ち主に非常に強く結びつく、極めて忠実な杖です。一度持ち主として認めると、他人に譲渡されたり、贈り物にされたりすることを嫌います。もし元の持ち主から引き離されると、その力と技術の多くを失ってしまいます。特に、元の持ち主が死亡した場合は、その魔力をほぼ完全に失うとされています(Pottermore)。 この性質から、トネリコの杖は「生涯ただ一人の主人に仕える」杖として知られています。トネリコの杖に選ばれる理想的な持ち主は、しばしば頑固で勇敢、そして軽々しく自分の信念を曲げない人物です。臆病であったり、傲慢で自信過剰な魔女や魔法使いがトネリコの杖の持ち主になることは稀です(Pottermore)。
- セドリック・ディゴリー:彼の公正さ、勇気、そして強い意志は、トネリコの杖が求める資質と一致しています。
- ロン・ウィーズリー:彼の友人や信念に対する揺るぎない忠誠心と、いざという時に見せる勇敢さは、トネリコの杖の持ち主としてふさわしいことを示しています。
杖学における伝承
杖学にはトネリコの性質を示す古い詩があります。 「ナナカマドは噂好き、クリは退屈、トネリコは頑固、ハシバミは嘆く」 (Rowan gossips, Chestnut drones, Ash is stubborn, Hazel moans) この詩は、トネリコの杖が決してその目的や信念から逸れることのない「頑固」な性質を持つことを的確に表現しています(Pottermore)。
物語における役割
- セドリック・ディゴリーの杖:
セドリックの杖は、長さ12と4分の1インチ、トネリコ材で、芯には特に美しい雄のユニコーンの毛が一本入っていました。ギャリック・オリバンダー氏によれば「心地よくしなる」杖だったとされています。この杖は三大魔法学校対抗試合 (トライウィザード・トーナメント) で使用されましたが、最も重要な役割は、ヴォルデモートとの決闘の際にハリー・ポッターの杖との間で優先呪文の効果 (プライオア・インカンタート) を発生させたことです。
- ロン・ウィーズリーの杖:
ロンが2本目に手に入れた杖は、長さ14インチのトネリコ材で、芯にはユニコーンの尾毛が使われていました。この杖は、折れてしまった兄チャーリーのお下がりの杖に代わって、3年生の時に購入したものです。彼がホグワーツを卒業するまで、そして第二次魔法戦争を通じて、この杖はロンの忠実な相棒として活躍しました。
幕後情報
- この杖の木材に関する詳細な情報の多くは、J.K. Rowlingがウェブサイト「Pottermore」(後の Wizarding World)で公開した文章に基づいています。
- 現実世界の神話において、トネリコの木(特にセイヨウトネリコ)は北欧神話の世界樹「ユグドラシル」として知られ、生命、知恵、そして繋がりを象徴する重要な存在です。この背景が、ハリー・ポッターの世界におけるトネリコの「忠実さ」や「揺るぎない信念」といった性質に影響を与えた可能性があります。