ドラゴンの肝

ドラゴンの肝

原著において、ドラゴンの肝の具体的な色や形状、質感に関する詳細な記述は存在しない。しかし、重さ(オンスやポンド)で取引されることから、固形の臓器であることが示唆される。ホラス・スラグホーンマンダンガス・フレッチャーからポンド単位での購入を持ちかけられた際に難色を示したことから、通常はより少ない量で取引される、非常に高価で強力な材料であると考えられる。

ドラゴンの肝は、強力で価値のある魔法薬の材料として知られている。その具体的な用途は七冊の原著の中では明記されていないが、ホグワーツ魔法薬学において、最高レベルの習熟度を要求されるN.E.W.T.クラスで話題に上ることから、非常に高度な魔法薬に使用されると推測される。 アルバス・ダンブルドアが12の使い道を発見したドラゴンの血や、の芯として使われるドラゴンの心臓の琴線と同様に、ドラゴンの体は多くの部位が強力な魔法の源となる。ドラゴンの肝もその一つであり、魔法薬に調合することでその力を発揮する。

ドラゴンの肝は、魔法界において古くから価値のある商品として取引されてきた。その価格は市場で変動する。 1997年頃、ホラス・スラグホーンによれば、ドラゴンの肝の市場価格は 1オンスあたり16シックル であった。これは非常に高価であり、同年にスラグホーンがアラゴグから採取したアクロマンチュラの毒(1パイントあたり100ガリオンの価値があるとされた)ほどではないものの、一般的な魔法薬の材料と比べてはるかに高価な部類に入る。 また、闇市場の商人であるマンダンガス・フレッチャーがスラグホーンにポンド単位でドラゴンの肝を売ろうとしたエピソードは、この材料が非合法なルートでも取引されている可能性を示している。

ドラゴンの肝は、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』において、主に二つの役割を果たす。

  • 世界観の構築: 魔法界における経済活動の一端を示している。魔法の材料に市場価格が存在し、それが変動することを示すことで、物語の世界に深みを与えている。
  • ホラス・スラグホーンの人物像の描写: スラグホーンがドラゴンの肝のような希少な材料の価値や市場動向に精通していることを示すことで、彼が単なる教師ではなく、影響力のある人脈と物質的な欲求を持つコレクターとしての一面を強調している。ハリーが彼から重要な記憶を引き出すための策略を練る上で、こうした彼の性格は重要な要素となった。
  • 一部のビデオゲームでは、ドラゴンの肝が具体的な魔法薬の材料として登場する。例えば、ゲーム『ホグワーツの謎』では、回復薬であるウィゲンウェルド薬の材料の一つとされている。(ゲーム設定)