バイコーンの角の粉
基本情報
記述と外観
バイコーンの角の粉は、魔法生物であるバイコーンの角を粉末状に加工した魔法薬の材料である。原作ではその色や質感に関する具体的な描写はないが、その名称から非常に細かい粉末であることがわかる。 この材料の元となるバイコーンは、二本の角を持つ馬に似た危険な肉食性の魔法生物である。(『幻の動物とその生息地』)
魔法特性と用途
バイコーンの角の粉は、非常に強力で複雑な魔法薬に使用される重要な材料である。 最も有名かつ重要な用途は、ポリジュース薬の調合である。ポリジュース薬は、服用した人間を別人の姿に一時的に変身させる効果を持つ、非常に高度な変身術の薬である。バイコーンの角の粉は、この薬の核となる成分の一つであり、調合の最終段階で加えられる必要がある。 ホグワーツ魔法魔術学校では、この材料は一般の生徒が自由に立ち入れる薬品棚には置かれておらず、上級魔法薬の授業で使われるか、あるいは教授の個人棚に厳重に保管されている。
歴史
バイコーンの角の粉がいつから魔法薬の材料として使われ始めたかについての明確な記録はない。しかし、ポリジュース薬のレシピが記されている古書『上級魔法薬』にも記載があることから、少なくとも数世紀にわたって高名な魔法薬調合者たちによってその価値を認められ、使用されてきたことがうかがえる。 その希少性と、元となるバイコーンを捕獲する危険性から、高価で入手が困難な材料の一つとされている。
物語における役割
バイコーンの角の粉は、物語の中でポリジュース薬が重要な役割を果たす場面で必ず登場する。
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』: バーテミウス・クラウチ・ジュニアがアラスター・ムーディになりすますために、一年間にわたってポリジュース薬を服用し続けた。彼が定期的に必要とする材料の中に、バイコーンの角の粉も含まれていた。
幕後情報
- 『幻の動物とその生息地』によると、バイコーンは罪のない者を好んで餌にするとされており、その角から作られる材料が「他者になりすます」という欺瞞的な効果を持つポリジュース薬に使われることは興味深い関連性を示唆している。
- ゲーム『ホグワーツ・レガシー』では、プレイヤーが調合材料としてバイコーンの角を収集することができる。(ゲーム設定)