フラックス草
基本情報
- 所有者 (Owners): ホグワーツ魔法魔術学校(主にセブルス・スネイプの個人棚に保管)
- 製造者 (Maker): 自然に自生する植物
記述と外見
正典である原作小説シリーズにおいて、フラックス草の具体的な植物学的特徴や外見に関する詳細な記述は存在しない。しかし、その最も重要な特性は収穫時期にあることが明記されている。ポリジュース薬の材料として完全な効果を発揮するためには、満月の夜に摘み取らなければならない。
魔法的な特性と用途
フラックス草は、魔女や魔法使いが他人の姿に完全に変身することを可能にする、非常に強力で複雑な変身術の薬であるポリジュース薬 (Polyjuice Potion) に不可欠な材料として知られている。その名前「Fluxweed」の「Flux」は「流転」や「絶え間ない変化」を意味する英単語であり、この植物が変身という概念に深く結びついていることを示唆している。 この植物がなければポリジュース薬を完成させることはできず、その調合における重要な役割を担っている。
歴史
フラックス草の歴史は、それが材料として用いられるポリジュース薬の歴史と密接に関連している。この薬の調合方法は、ホグワーツ図書館の禁書の棚に所蔵されている『上級魔法薬』 (Moste Potente Potions) という古い書物に記載されている。この事実から、フラックス草が強力な変身薬の調合に古くから用いられてきた、歴史ある重要な魔法植物であったと推測される。
物語における役割
フラックス草は、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の物語において、プロットを推進する重要な役割を果たす。 スリザリンの継承者の正体を探るため、ハーマイオニー・グレンジャーはドラコ・マルフォイを尋問する計画を立て、その手段としてポリジュース薬の調合を決意する。調合に必要なフラックス草やバイコーンの角などは、魔法薬学の教授であるセブルス・スネイプの個人棚に厳重に保管されていた。 ハリー・ポッターが魔法薬学の授業中にグレゴリー・ゴイルの鍋にフィルチの仕掛け花火を投げ込んで騒ぎを起こし、スネイプの注意をそらしている隙に、ハーマイオニーが彼の棚からこれらの材料を盗み出すことに成功した。このフラックス草の入手が、後のスリザリンの談話室への潜入捜査を可能にし、物語の核心に迫るための決定的なステップとなった。
幕後情報
- 映画『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、ハーマイオニーがスネイプの研究室から材料を盗み出すシーンが描かれている。(映画設定)
- ゲーム『ホグワーツ・レガシー』では、プレイヤーは必要の部屋でフラックス草を自分で栽培し、魔法薬の材料として収穫することができる。(ゲーム設定)