フローバーワーム (Flobberworm)

  • 魔法部分類 (Ministry of Magic Classification): X(ボーリング、退屈)
  • 原産地 (Native to): 北ヨーロッパの湿った溝
  • 外見 (Appearance): 太い茶色のミミズに似ており、体長は最大10インチ(約25センチ)に達する。体の両端の区別がつかない。
  • 食性 (Diet): 草食性。特にレタスやキャベツを好む。
  • 主な用途 (Uses): 分泌する粘液(フローバーの粘液)が魔法薬の材料として使用される。

フローバーワームは、魔法界で最も退屈な生物の一つとして知られています。その生態は極めて単純で、主な活動は食事と粘液の分泌です。彼らは両端から粘液を分泌し、この粘液は魔法薬を濃くする効果があるため、魔法薬学において利用価値があります。 彼らは非常にデリケートな消化器官を持っており、食べ過ぎると死んでしまうことがあります。そのため、飼育する際は過剰な世話をせず、自然な状態に保つことが最も良いとされています。彼らはほとんど動かず、刺激に対しての反応も皆無に等しいため、魔法生物飼育学の授業では、生徒たちにとって極めて面白味のない研究対象と見なされています。その退屈さから、魔法省による危険度分類では最低ランクの「X」に指定されています。この分類は、危険性がないことを意味します。

フローバーワームは、主に『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』で重要な役割を果たします。ルビウス・ハグリッド魔法生物飼育学の教授に就任した最初の授業で、3年生の生徒たちはこの生物を研究するよう指示されました。ハグリッド自身はフローバーワームに魅力を感じていましたが、生徒たちのほとんど、特にドラコ・マルフォイをはじめとするスリザリンの生徒たちは、その退屈さに不満をあらわにしました。この授業は、どんな生物にも愛情を注ぐハグリッドの性格と、危険なヒッポグリフを扱う彼の次の授業との対比を際立たせる役割を担っています。 また、『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、ハリー・ポッターたちのO.W.L.試験(ふくろう試験)の魔法生物飼育学実技試験において、フローバーワームの識別問題が出題されました。

“Flobberworm” という名前は、その性質を的確に表しています。

  • Flobber: 英語の “flabby”(締まりのない、ぐにゃぐにゃした)や “slobber”(よだれを垂らす)を連想させる擬音語的な言葉である可能性が高いです。これは、この生物の柔らかく、常に粘液を分泌している様子を示唆しています。
  • Worm: 「虫」や「ミミズ」を直接意味する単語です。
  • フローバーワームに関する詳細な生態情報は、J.K. ローリングが執筆した副読本『幻の動物とその生息地』に記載されています。
  • いくつかの『ハリー・ポッター』関連のビデオゲームでは、フローバーワームは基本的な魔法生物や、魔法薬の材料を収集するための対象として登場します。(ゲーム設定)