ホグワーツ理事会
概要
ホグワーツ理事会 (Hogwarts Board of Governors) は、ホグワーツ魔法魔術学校 の運営を監督するために設置された12人の理事からなる統治機関である。理事会は学校の全体的な方針に関与し、最も重要な権限として 校長 の任免権を持つ。物語の中では、特に ルシウス・マルフォイ が理事長を務めていた時期に、その権限が 魔法省 の政治的圧力や純血主義思想によって濫用される様子が描かれた。
権限と役割
理事会の主な権限と役割は以下の通りである。
- 校長の任免: 理事会は ホグワーツ魔法魔術学校 の 校長 を任命、および停職・罷免する権限を持つ。これは理事会の最も強力な権限であり、1992年から1993年にかけて アルバス・ダンブルドア を停職させた際に実際に行使された。
- 外部からの影響: 理事会は完全に独立した組織ではなく、魔法省 や影響力のある魔法族、日刊予言者新聞などの世論から強い影響を受ける。ルシウス・マルフォイ は他の理事たちを脅迫することで、自身の意向に従わせることができた。
判明している理事
物語の中で名前が明かされている理事は ルシウス・マルフォイ のみである。
- ルシウス・マルフォイ: 1993年まで理事長を務めていた。純血の名家の当主として強い影響力を持ち、他の理事たちを脅して アルバス・ダンブルドア の停職決議を強行した。しかし、ジニー・ウィーズリー が 秘密の部屋 に連れ去られた後、他の理事たちの反発に遭い、最終的に理事の座を追われた。
- 他の11人の理事: 原作において名前は明かされていない。ルシウス・マルフォイ によって、家族に呪いをかけると脅されるなどして、不本意ながら彼の決定に従っていたことが示唆されている。
作中での役割
- ハリー・ポッターと秘密の部屋: 物語の核心的な組織として登場する。ルシウス・マルフォイ は、スリザリンの継承者 による マグル生まれ の生徒への襲撃を止められないことを理由に、理事会を動かして アルバス・ダンブルドア を停職に追い込んだ。これは、トム・リドルの日記 を使った自身の計画を、ダンブルドアの妨害なしに遂行するための策略であった。しかし、ジニー・ウィーズリー が犠牲になりそうになると、理事たちは自分たちの過ちに気づき、マルフォイの脅迫を退けてダンブルドアの復職を要求した。この事件の後、マルフォイは理事長の職を解任された。
- ハリー・ポッターとアズカバンの囚人: ドラコ・マルフォイ が バックビーク に負傷させられた事件で、ルシウス・マルフォイ が理事会に苦情を申し立てたことが言及されている。これがきっかけとなり、危険生物処理委員会 によるバックビークの裁判と処刑決定へと繋がった。
- ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: この巻では、コーネリウス・ファッジ 率いる 魔法省 が 教育令 を通じてホグワーツへの直接的な支配を強めたため、理事会の権限は事実上無力化された。ドローレス・アンブリッジ が「ホグワーツ高等尋問官」に就任し、最終的にダンブルドアを学校から追放したのは、理事会の決定ではなく 魔法省 大臣の権限によるものであった。