大いなる湖

大いなる湖(The Great Lake)は、ホグワーツ城の南側に広がる広大な淡水湖である。しばしば「ホグワーツの湖」とも呼ばれる。その水は非常に冷たく、深淵で神秘的な雰囲気を湛えている。 ホグワーツの創設以来の伝統として、新入りの一年生たちは禁じられた森の端にある船着き場から、魔法のかかった小舟の船団に乗ってこの湖を渡り、城の地下にある船着き場に到着する。この船旅は、彼らが初めて壮大なホグワーツ城の全景を目の当たりにする瞬間であり、魔法界への導入を象徴する重要な儀式となっている。この儀式は長年にわたり、ホグワーツの森番かつ魔法生物飼育学の教授が監督するのが慣例である。 湖は単なる景観の一部ではなく、多様な魔法生物が暮らす豊かな生態系を内包している。その中でも特に知られているのが、湖の底に村を築いて暮らす人魚の集落と、巨大ながらも比較的温厚なジャイアント・スクイッドである。

大いなる湖は、物語全体を通じて数々の重要な出来事の舞台となった。

  • ジャイアント・スクイッド (Giant Squid): 巨大なイカ。生徒たちに直接的な危害を加えることはなく、デニス・クリービーが湖に落ちた際に助けるなど、時に友好的な姿を見せる。
  • 人魚 (Merpeople): 湖の底に粗末な石造りの家々からなる村を築いて暮らす、知性のある魔法生物の集落。原作では灰色の肌と緑色の髪、黄色い目を持つと描写されている。独自の言語(マーミッシュ語)を話す。
  • グリンデロー (Grindylows): 小さくて意地悪な水の悪魔。緑色で、頭に二本の角があり、長く脆い指で獲物を強く掴んで水中に引きずり込もうとする。
  • 映画版の撮影では、スコットランドに実在するいくつかの湖(ロホ・シエル、ロホ・エルト、ロホ・モラーなど)がロケ地として使用された。(映画設定)
  • 原作で描写されている人魚の外見は、一般的な神話のイメージとは異なり、より野性的で異質な存在として描かれているが、映画版ではより人間に近い姿でデザインされている。(映画設定)