耳塞ぎ呪文

  • 咒语名称 (Incantation): 不明(多くの場合、無言呪文として使用される)
  • 発音 (Pronunciation): 不明
  • 手勢 (Wand Movement): 不明
  • 光芒颜色 (Light Color): 不明
  • 咒语效果 (Effect): 対象物(主にドア)の表面に、音や物体を物理的に遮断する目に見えない魔法の障壁を作り出す。これにより、盗み聞きや物品の侵入を防ぐ。
  • 咒语分类 (Type): 魔咒 (Charm)

「耳塞ぎ呪文」は、プライバシーを確保し、秘密の会話を保護するために不可欠な実用的な魔咒です。物語の中では、特に第二次魔法戦争が激化する中で、情報漏洩を防ぐために何度か使用されました。

1995年夏、グリモールド・プレイス12番地にある不死鳥の騎士団の本部で、モーリー・ウィーズリーがキッチンのドアにこの呪文をかけました。これは、騎士団の会議の内容をフレッド・ウィーズリージョージ・ウィーズリーが開発した伸び耳を使って盗み聞きするのを防ぐためでした。伸び耳はこの魔法の障壁に阻まれ、跳ね返されました。

1996年、神秘部の戦いの際、ハーマイオニー・グレンジャー死喰い人から逃れる中で、あるオフィスのドアにこの呪文をかけました。これにより、一行はドアの向こうで会話をする死喰い人たちの声を聞かれずに済み、一時的な安全を確保することができました。

1996年夏、アルバス・ダンブルドアハリー・ポッターダーズリー家から迎えに来た際、ダーズリー家の居間のドアにこの呪文をかけました。これにより、ダンブルドアは外部の邪魔が入らない状況で、ハリーやダーズリー夫妻と重要な会話をすることができました。

この呪文の習得難易度や、ホグワーツ魔法魔術学校のカリキュラムに含まれているかについての明確な記述は原作にありません。しかし、熟練した魔女や魔法使い(ウィーズリー夫人、ハーマイオニー、ダンブルドア)が実用的に使用していることから、相応の魔法技術を要する標準的な防御呪文であると推測されます。 この呪文に対する直接的な対抗呪文や解除方法は、物語の中では言及されていません。

この呪文の英語名は Imperturbable Charm です。

  • Imperturbable: この単語は「冷静な」「動じない」を意味し、ラテン語の接頭辞 im-(否定)と perturbare(かき乱す、混乱させる)に由来します。これは、この呪文が生み出す障壁が、外部からの音や物理的な干渉によって「乱されることのない」状態を保つという効果を的確に表しています。
  • この呪文は、セブルス・スネイプが発明した耳鳴り呪文(マフリアート)と効果が似ていますが、その仕組みは異なります。「耳塞ぎ呪文」が特定の場所に物理的な障壁を作るのに対し、「耳鳴り呪文」は周囲の人々の耳の中にブーンという雑音を発生させることで会話を聞こえなくさせます。
  • 物語において、この呪文は単なる便利な魔法というだけでなく、登場人物たちが直面する監視や盗聴の脅威を象徴しています。特に不死鳥の騎士団のような秘密組織にとって、情報の機密性を保つための基本的ながらも極めて重要な防御手段です。