魔法のいたずらグッズ

• タイプ: 魔法道具 (いたずら・娯楽用)
• 主な製作者/販売者: フレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリー (ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ)、ゾンコのいたずら専門店
• 主な使用者: ホグワーツの生徒全般、ウィーズリー家の双子、ハリー・ポッター、不死鳥の騎士団
• 目的: 娯楽、悪ふざけ、授業を抜け出すための口実、時には陽動や情報収集

魔法のいたずらグッズは、使用者やその対象者にユーモラスで、驚きに満ちた、あるいは軽い迷惑をもたらす効果を引き起こすために設計された魔法道具の一群を指す。特にホグワーツの生徒たちの間で絶大な人気を誇り、権威へのささやかな反抗や退屈な日常からの気晴らしとして用いられることが多い。 これらのグッズは、しばしば鮮やかで目を引くデザインをしており、その効果は予測不可能であることが魅力の一つとなっている。ほとんどは無害だが、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズが開発した「ずる休みスナックボックス」のように、一時的に体に不調（鼻血や失神など）を引き起こすものも存在する。

魔法界には多種多様ないたずらグッズが存在する。以下に代表的なものを挙げる。

• 糞爆弾 (Dungbomb): 投擲すると爆発し、強烈な悪臭を放つ球体の道具。
• 叫びヨーヨー (Screaming Yo-yo): 使用すると甲高い叫び声を上げるヨーヨー。アーガス・フィルチの禁制品リストの常連である。
• 伸び耳 (Extendable Ears): フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーが発明した盗聴用具。肉色の長い紐の先端をドアの隙間などから差し込むことで、離れた場所の会話を盗み聞くことができる。不死鳥の騎士団の会合を盗み聞きするために重宝された。
• ずる休みスナックボックス (Skiving Snackbox): 授業を合法的に休むために開発されたお菓子の詰め合わせ。食べた者は一時的に病気のような症状を呈する。セットには以下のものが含まれる。
  • 鼻血ヌルヌルヌガー (Nosebleed Nougat)
  • 気絶キャンディー (Fainting Fancy)
  • 嘔吐ヌガー (Puking Pastille)
  • 熱病ファッジ (Fever Fudge)
• ペルーのインスタント煙幕 (Peruvian Instant Darkness Powder): ペルーから輸入された魔法の粉末。ばらまくと、いかなる光も魔法も通さない完全な闇を即座に作り出す。ハリー・ポッターがホグワーツ特急でドラコ・マルフォイから隠れるために使用したほか、マルフォイが死喰い人をホグワーツ城内に侵入させる手助けにも利用された。
• デコイ・デトネーター (Decoy Detonator): 奇妙な音を立てながら走り回り、煙を噴出して注意をそらす陽動装置。ハリー・ポッターが魔法省に侵入する際に使用した。
• 惚れ薬 (Love Potions): 飲んだ者を、薬を与えた人物に対して強く執着させる効果を持つ魔法薬。ウィーズリー・ウィザード・ウィーズの人気商品の一つ。
• ピグミーパフ (Pygmy Puff): ウィーズリー家の双子が品種改良した、ふわふわした毛玉のような小型のパフスケイン。ジニー・ウィーズリーが「アーノルド」と名付けてペットにしていた。

長年にわたり、ホグズミード村にあるゾンコのいたずら専門店が、ホグワーツの生徒たちにとって主要ないたずらグッズの供給源であった。しかし、フレッド・ウィーズリーとジョージ・ウィーズリーが学生時代から独創的なグッズの開発と通信販売を開始し、徐々にその名を知られるようになった。 三大魔法学校対抗試合の賞金千ガリオンをハリー・ポッターから提供された二人は、その資金を元手に卒業後、ダイアゴン横丁の93番地に「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ」を開店した。彼らの店は第二次魔法戦争の暗い時代にあっても、ユーモアと活気の源として大成功を収め、ゾンコのいたずら専門店の地位を脅かすほどの人気店となった。

魔法のいたずらグッズは、物語全体を通して重要な役割を果たしている。初期の物語では、生徒たちの反抗心や遊び心を象徴する存在として描かれる。 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、これらのグッズがドローレス・アンブリッジの圧政に対する抵抗のシンボルへと昇華する。ウィーズリー家の双子が携帯沼などを駆使してアンブリッジを苛立たせ、最後には花火を打ち上げながら箒で飛び去る壮大な退学シーンは、ホグワーツの反乱精神を象徴する出来事となった。 物語が進行するにつれて、いたずらグッズはより深刻な状況で戦略的に使用されるようになる。「伸び耳」は不死鳥の騎士団にとって重要な情報収集ツールとなり、「ペルーのインスタント煙幕」や「デコイ・デトネーター」は、死喰い人や魔法省との戦いにおいて、陽動や脱出のための重要な道具として機能した。このように、当初は単なる遊び道具であったものが、戦争の局面においては生死を分ける鍵となったのである。

• （映画設定）: 映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、ウィーズリー・ウィザード・ウィーズの店内が極めて色彩豊かで細部にわたって作り込まれ、原作の活気ある雰囲気が視覚的に表現されている。多くのユニークな商品が映像化された。