トロールは、魔法界に生息する巨大で非常に力が強いが、知能が著しく低いことで知られる魔法生物である。その暴力的な性質と予測不可能な行動から非常に危険な存在と見なされているが、単純な警備任務などに利用されることもある。物語においては、特に『ハリー・ポッターと賢者の石』でハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの三人の絆を決定づけた存在として象徴的な役割を果たした。
トロールは一貫して醜悪で巨大な姿で描かれる。原作で遭遇したマウンテン・トロール (Mountain Troll) は以下のような特徴を持つ。
ニュート・スキャマンダーの著書『幻の動物とその生息地』によると、トロールには主に三つの種類が存在する。
トロールは魔法生物の中でも特に知能が低いことで知られ、「最も愚かな巨体よりもさらに愚か」と評される。彼らの言語は基本的にうなり声で構成されているが、『幻の動物とその生息地』によれば、一部の知的な個体は簡単な人間の単語をいくつか話すように教えることが可能だとされている。 この知能の低さゆえに、単純な魔法であっても効果的に作用することがある。ロン・ウィーズリーがウィンガーディアム・レビオーサの呪文でトロール自身のこん棒を浮かせ、その頭上に落として気絶させたのがその好例である。
魔法省の魔法生物規制管理部は、トロールを危険度分類で最高レベルの XXXXX(魔法使い殺しとして知られる/飼育・懐柔不可能)に指定している。(幻の動物とその生息地) しかし、前述の通り警備員として雇われる例もあるため、この分類は「完全に制御下に置くことや、ペットとして飼い慣らすことが不可能」という意味合いが強いと考えられる。
「トロール (Troll)」という名称は、スカンジナビアの民間伝承に登場する同名の存在に由来する。神話におけるトロールは、しばしば山や洞窟に住む、醜く、鈍感で、人間に対して敵対的な超自然的存在として描かれており、J.K. ローリングの描くトロール像と多くの共通点を持っている。