ボグロッドは、グリンゴッツ魔法銀行に勤務するゴブリンであり、物語の終盤で重要な役割を担った人物です。第二次ウィザーディング戦争の最中、服従の呪文をかけられ、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、そしてベラトリックス・レストレンジに変身したハーマイオニー・グレンジャーをレストレンジ家の金庫へと案内しました。彼はグリップフックと共に、この危険な銀行破りの案内役を強制されました。
ボグロッドに関する記述は、1998年5月1日のグリンゴッツ魔法銀行破りの出来事に限定されています。 グリンゴッツ破り 死喰い人であるトラバースは、ベラトリックスに変身したハーマイオニー一行をグリンゴッツのロビーで出迎えた際、最初にボグロッドに服従の呪文をかけ、彼らの金庫へのアクセスを円滑に進めさせました。ボグロッドは呪文の影響下で、一行とグリップフックをカートに乗せ、地下深くの金庫へと案内しました。 道中、地下深くの金庫を守るドラゴンを鎮めるためのクランカーを要求された際、ボグロッドは一瞬だけ呪文への抵抗を見せましたが、即座にハリーが再度服従の呪文をかけたことで、完全にコントロール下に置かれました。彼は一行を泥棒の破滅の滝を通り抜けさせ、最終的にレストレンジ家の金庫の扉まで案内しました。 金庫内部で分霊箱が発見され、大混乱が生じた後、ハリーたちが守衛のウクライナ・アイアンベリー種のドラゴンに乗って脱出する際、ボグロッドは他の多くのゴブリンと共に取り残されました。ドラゴンの吐く炎によって、彼は死亡した可能性が極めて高いとされています。
原作において、ボグロッド個人の具体的な外見に関する詳細な記述はありません。しかし、彼は一般的なゴブリンの特徴、すなわち背が低く、黒く賢そうな目、そして長く伸びた指と足を持っていたと考えられます。 彼の本来の性格は不明です。物語に登場する間、彼は常に服従の呪文の下にあり、ほとんど意思のない機械的な行動をとっていました。しかし、クランカーを要求された際に一瞬見せた抵抗は、彼が本来は強い意志を持っていた可能性を示唆しています。
ボグロッドが自ら魔法を使用する場面はありません。しかし、グリンゴッツ魔法銀行の上級職員として、彼は魔法界の金融や、銀行の複雑なセキュリティシステムに関する高度な専門知識を持っていたと推測されます。彼は服従の呪文に対してわずかながら抵抗を示しましたが、最終的には熟練した魔法使いであるハリーの呪文に屈しました。
「Bogrod」という名前の明確な語源は不明です。スラブ語圏や東欧系の響きを持つ名前であり、J.K. ローリングが作中でゴブリンにしばしば与える、硬質で異国的な響きの名前の一つである可能性があります。