ニワトコの木でできており、長さは15インチ。杖の芯は、所有者に死の訪れを告げる生物であるセストラルの尻尾の毛である。杖の表面には、ニワトコの実の房に似た節くれだった彫刻が施されている。その強力さゆえに、歴史上多くの魔法使いがこの杖を識別し、追い求めてきた。
この杖の歴史は「血塗られた軌跡」として知られ、所有権を巡る数多の殺戮に彩られている。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』において、物語の中核をなす魔法アイテムであり、死の秘宝の一つとして登場する。 ヴォルデモート卿が究極の力を求めてこの杖を追い求める過程は、物語の主要な筋書きの一つとなっている。杖の特異な忠誠心のルールは、ホグワーツの戦いにおける最終決戦の鍵を握る。老いの杖が真の所有者であるハリー・ポッターを傷つけることを拒んだため、ヴォルデモートが放った死の呪いは彼自身に跳ね返り、その敗北を決定づけた。 この杖は力の誘惑を象徴する存在でもある。ダンブルドアが若き日に「より大きな善のために」その力を求めたのに対し、ハリーは最終的に杖の力を手放すことを選んだ。彼は自身の杖を修復した後、老いの杖をダンブルドアの墓に戻すことで、その血塗られた歴史に終止符を打とうとした。