グリモールド・プレイス12番地
基本情報
記述と歴史
グリモールド・プレイス12番地は、純血の魔法族であるブラック家が代々受け継いできた邸宅です。ロンドンのイズリントン区に位置し、マグルには見えないように11番地と13番地の間に魔法で隠されています。長年にわたり放置されていたため、屋敷全体が陰鬱で埃っぽく、荒れ果てた雰囲気に包まれています。 この家はシリウス・ブラックの両親であるオリオン・ブラックとヴァルブルガ・ブラックの代まで使用されていましたが、彼らの死後、屋敷しもべ妖精のクリーチャーを除いては誰も住んでいませんでした。シリウス・ブラックは、ブラック家の価値観を嫌悪しており、16歳で家出していました。 1995年、第二次魔法戦争が勃発すると、シリウスはこの家を再結成された鳳凰の騎士団の本部として提供しました。アルバス・ダンブルドアが「秘密の守人」となり、忠誠の呪文によってその場所は厳重に保護されました。騎士団のメンバーは、屋敷に巣食うドクシーやまね妖怪ボガートなどの魔法生物や、危険な闇の魔術の道具を掃除するために夏の間奮闘しました。 1996年にシリウスが死亡すると、彼の遺言により家は名付け親であるハリー・ポッターに遺されました。1997年、魔法省がヴォルデモート卿の手に落ちた後、ハリー、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーは一時的にこの家を隠れ家として利用しました。しかし、魔法省から脱出する際に死喰い人のヤックスリーに掴まれたことで忠誠の呪文が破られ、彼らはこの場所を放棄せざるを得なくなりました。
物語における役割
グリモールド・プレイスは、物語の後半において極めて重要な役割を果たします。
- 鳳凰の騎士団の本部として: 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』では、騎士団の作戦会議の場であり、ヴォルデモートとの戦いにおける抵抗の象徴となります。また、ハリー・ポッターにとっては、孤立した夏を過ごす場所でありながら、初めて魔法界の大人たちの戦いを垣間見る場所でもありました。シリウスの不幸な過去とブラック家の暗い歴史を象徴する場所でもあります。
- 分霊箱の手がかりとして: 『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、ハリーたちが「R.A.B.」の正体がレギュラス・アークタルス・ブラックであることを突き止める場所となります。クリーチャーの協力により、彼らが探していたサラザール・スリザリンのロケットがかつてこの家にあったこと、そしてそれがドローレス・アンブリッジの手に渡った経緯が明らかになります。
既知の区域
- 玄関ホール: 訪問者を罵倒するヴァルブルガ・ブラックの肖像画が掛けられています。トロールの足でできた傘立ても置かれています。
- 地下のキッチン: 騎士団のメンバーが集まる主要な場所。石の壁と大きな暖炉があり、薄暗い雰囲気を持っています。
- 客間: 壁にはブラック家の家系図が描かれたタペストリーが飾られています。このタペストリーからは、シリウスのように一族の恥と見なされた者の名前は焼き消されています。
- シリウスの部屋: シリウスが少年時代に使っていた部屋。壁にはグリフィンドールの旗やマグル(非魔法族)のバイクのポスターなどが貼られており、彼の家族への反抗心を示しています。
- レギュラスの部屋: レギュラス・アークタルス・ブラックがヴォルデモートの分霊箱であるロケットの偽物を隠していた部屋です。
幕後情報
- 名前の由来: 「Grimmauld Place」という名前は、「grim old place」(陰気で古い場所)という言葉のしゃれ (pun) になっています。これは、この家の陰鬱な雰囲気を完璧に表現しています。