ウォールデン・マクネア

ウォールデン・マクネア (Walden Macnair) は、ヴォルデモート卿に仕える冷酷な死喰い人の一員であり、同時に魔法省危険生物処理委員会に所属する死刑執行人でもあった。彼は仕事で培った残忍さを第二次魔法戦争で発揮し、バックビークの処刑未遂や神秘部の戦いホグワーツの戦いなど、物語の重要な場面に敵役として登場した。

マクネアは第一次魔法戦争から死喰い人として活動していたが、ヴォルデモート卿の失墜後、アズカバンへの収監を免れた。その後、彼は魔法省の役人としての地位を確立し、危険生物処理委員会の死刑執行人という役職に就いた。 1993年から1994年にかけてのホグワーツの学年度において、彼はヒッポグリフバックビークを処刑するためにホグワーツへ派遣された。彼は処刑を執行することに喜びを見せていたが、ハリー・ポッターハーマイオニー・グレンジャータイムターナーを使ってバックビークを救出したため、彼の試みは失敗に終わった。 1995年、ヴォルデモート卿リトル・ハングルトンの墓地で復活を遂げた際、マクネアは黒い印の召喚にいち早く応じた死喰い人の一人だった。その後、彼はヴォルデモート卿の命令で巨人族を味方に引き入れるための使者として派遣されたが、ルビウス・ハグリッドによれば、彼の交渉はうまくいかなかったとされる。 1996年、マクネアは神秘部の戦いに他の死喰い人と共に参加した。戦闘中、彼はネビル・ロングボトムによってを仮面の目の穴に突き刺され、負傷した。 1998年のホグワーツの戦いにも参加したが、戦闘の最中にルビウス・ハグリッドによって壁に投げつけられた。その後の彼の運命は明確に描かれていないが、戦いの結果、死亡したか、あるいは捕らえられてアズカバンに送られたものと思われる。

マクネアは、鉛筆のように細い口ひげを生やした男として描かれている。彼の性格は極めて残忍かつサディスティックであり、死刑執行人の仕事に明らかな喜びを感じている。彼は血に飢えた性質を持ち、ヴォルデモート卿の忠実な僕として、躊躇なく暴力を行使した。巨人との交渉に失敗したことから、説得力や交渉術には長けていなかったことが示唆される。

マクネアは熟練した決闘者であり、神秘部の戦いホグワーツの戦いといった大規模な戦闘を生き延びるだけの能力を持っていた。死喰い人として、彼は闇の魔術、特に許されざる呪文を含む戦闘呪文に精通していたと考えられる。また、魔法以外では、死刑執行人として巨大な斧を巧みに扱う技術を持っていた。

  • : 彼のの芯、木材、長さに関する具体的な情報は不明である。
  • 執行人の斧: バックビークの処刑のために彼が携えていた、大きく湾曲した刃を持つ光沢のある斧。彼の残忍な職務を象徴する道具である。
  • Walden (ウォールデン): 古高ドイツ語の “waldan” (支配する、力) に由来する名前。
  • Macnair (マクネア): スコットランド・ゲール語の “Mac an Oighre” に由来する姓で、「相続人の息子」を意味する。

映画版『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』ではピーター・ベストが、続く『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』および『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ではアシュリー・アートスがマクネアを演じた。(映画設定)